石原さんと付き合ってると感じることはたくさんあった。

もちろん多くは幸せという感情なのだが、あの時の僕には石原さんを包み込めるほどの大きな心がなかった。

石原さんは僕にとって天使でもあり女神でもあり聖母のようでもあった。

彼女なしでは生きていけそうにない自分の無力さを感じては、自分を強くしたいという思いが生まれていた。そのつまらない

感情が生まれては何度か彼女に別れを告げた。

でも結局は3日も経てばまた彼女が恋しくなり彼女の元へ戻っていく。

また、その度に石原さんは天使のような笑顔で女神のような体で聖母のような心で僕を包み、許してくれた。

しかし、事件が起きた。高校を卒業して一年が経とうとしていた冬、僕はまた懲りずに別れを告げていた。そしてまた、

3日が経ち、さみしさを感じ始めた夜に石原さんからの電話が鳴った。今までこの3日間で彼女の方からの連絡など

なかったのに。

「ある男性から告白された。その人と付き合ってみようかと思うけどいい?」

・・・・

「おぅっ、いいよ」

 

今から15年前、初めて煙草に火をつけた苦い思い出。

 

天使の去る音と山が崩れる音を同時に知ってから1年後の二十歳の秋、一通の招待状が届いた。

そう「ライアーゲーム」の招待状ではなく「同窓会」の招待状。

僕は2浪目に突入しているにも関わらず、参加を決意した。

理由は1つしかなかった。

石原さんとの再会。

天使との再会だった。

ライアーゲームにかけていた。

成長した僕をもう一度見てもらおう。そうすれば・・・・

会は名前も忘れた男のあいさつではじまり各々が当時の友達たちと輪を作る。そしてその輪の中に当時鬼のように

恐れられていた先生たちが仏のような顔で入ってくる。そして室内が煙草とアルコールの臭いでいっぱいになるころ

しだいに輪が崩れていき、当時は話もしなかった奴と話をし始める。そんなタイミングだろうか石原さんと僕の距離は

まるでフォークダンスで意識しあう男女のようにその距離を縮めていった。そして天使は見えないはずの羽を羽ばたかせ

小走りで僕に近づき、ちょっと赤くなった顔で笑いかけてきた。

そしてついにライアーゲームがスタートした。

僕はこの日から煙草を

「セーラム」→「マルボロ」

に変えた。

飲んでいた

「ウーロン茶」→「ビール」

に持ち替えた。

石原「元気?」

僕「まったく元気じゃない」→「元気よ」

石原「よかった」

石原「大学生?」

僕「だめな2浪生」→「行きたいとこ受からなかったから2浪目」

石原「頑張ってるね」「今年はいけそう」

僕「全てD判定」→「このままいけば大丈夫」

石原「よかった」

僕「最近どう?」

石原「楽しいよ」

なんか嫌だった。

石原「煙草始めたの?」

僕「おぅ」

きつい煙草に火をつける。そして、煙の行く先が彼女に行かないよう配慮する。

石原「気を使わんでいいよ。慣れてるから平気」

なんか嫌。

石原「飲みに行ったりするの」

僕「まったくない」→「気晴らしに時々」

石原「バーとか?」

僕「ありえない」→「だいたいね」

石原「何飲むの?」

僕「ウーロン茶とコーヒー」→「マティーニかギネス」

僕「おまえは」

まるで彼氏のように。

すると、天使はやさしく微笑みながら、

石原「sex on the beachが好き」

全てが終わった。

 

 

                                    おしまい

 

女神にあってから2年が経とうとしていた。

僕らは高校2年生の3学期を迎えていた。

僕たちの学校は中学からのエスカレーター式で中学の奴らは先生に「勉強しないと高校にあげないぞ」と脅されながらも

やっぱり、みんなそのまま高校にいた。僕も石原さんも坂口君もそしてもちろん鮎川りみこもだ。

僕は高校2年の秋に体育の授業中に左足の靭帯を切ってしまってそれからはまったくサッカー部へは顔を出していない。

それでも、僕は石原さんの部活が終わるまで教室で待ち、一緒に帰る。そんな生活を繰り返していた。

付き合ってからの三年間、危機もなければ喧嘩もない。

だれもが理想とするベストカップルへと成長していった。

あの日もその予定だった。

ただ、この日は土曜日。さすがに午後の授業がない分、待ち時間、5時間はきつい。

会いたい気持ちが強い分、時間がとてつもなく遅く感じる。

そんな時はよく電車で15分程度のちょっとした街へ出かけて時間を潰すことが多かった。

この日も僕はそのつもりで最寄りの駅へ向かっていった。

でも、出会ってしまった。

出会ってはいけない人に。

鮎川りみこ、その人に。

鮎川りみこにふられてからの3年間、学校で合うものも会話はしてなかった。

あの夏の思い出を忘れたわけではないが、思い出さずにいた。

鮎川「久しぶり」

僕「久しぶり」

ナメック星ぐらい空気が重い。

鮎川「・・・」

僕「・・・」

鮎川「カラオケでも行く?」

僕「別にいいけど」

僕は石原さんに会うための時間つぶしだと自分に強く言い聞かせていた。

そして、いつもあのカラオケボックスへ向かっていった。

小さな部屋に入ったとたんだった、鮎川りみこの表情が変わった。変わったというより戻った。

3年前のあの夏に見せた、可愛すぎる表情に。

「やばい」

目をそらしたいがそらせない。

制服の上からでもはっきりとわかるぐらい成長した大きな胸。

石原さんよりも10㎝も20㎝も短いスカート。

どこにも視線を向けれない。

「歌うしかない」

急いで、歌本を開き、曲を選んだ。

大江千里『カッコ悪いふられ方』

空気を修復するかのように嫌味な歌を歌ってやった。

これでひとまず、モニターに集中できる。

・・・・はずだった。

なぜ!なぜ!

モニターと僕の距離は1メートル。

その間にあいつは割り込んできた。

モニターを見してくれない。

『カッコ悪いふられ方』を歌わせてくれない。

鮎川りみこの顔しか見れない。

くやしいけど「かわいい」

地獄の3分54秒を乗り切った。

当然、同じことをしてやった。

鮎川とモニターの間に割り込んでやった。

「ざまあみろ」

・・・・のはずだった。

彼女は暗記していた。

彼女は僕をまるでモニターのように見つめたまま歌い続けている。

「かわいい」

曲がAメロからBメロへ流れていくなか僕は鮎川にAをした。

そしてBに流れそうになったその時に彼女からのサビの言葉が流れた。

「石原さんと別れてくれる?」

音楽で充満しているはずの部屋が静まり返ったように思えた。

言葉が出ない僕を見て彼女は目にいっぱいの涙を浮かべて、一言「わかった」とつぶやき、まだ全部歌いきっていない

歌を残し部屋を出て行った。

カッコ悪いふられ方をしたのは僕の方なのになぜ。

17歳の僕には難しすぎた。

部屋にはレベッカの『フレンズ』が鳴り響いていた。

・・・

それから数か月後、ベストカップルは破局していた。

愛と恋を失った17年前の出来事。

 

 

次回は最終回「二十歳の再開」

 

 

 

 

 

 

 

中学生活も性勝つできづに高校生活に向けての春休みを迎えていた。

この日もいつもと変わらず、朝7:30に朝食をとっていた。

祖父、祖母合わせ家族7人で朝食をとるのがわが家の決まりごとの一つでした。

しかし、この日、僕は一足早く大人に入学を迎えることになっていた。

状況は整っていた。祖父、祖母、父、母は仕事へ。兄、妹はお受験のため塾へ。

そうなんです!家が空っぽになるんです!

千載一遇カードがあるのは桃鉄だけではなかったのです。

僕はこの興奮をだれにも悟られないように黙々と朝食をとった。

あと2時間もすればこの家は空っぽになる。それまで平常心を演じきるだけのこと。

「落ち着け俺!」

そして、一人また一人と家を後にして自分たちの戦いの場へ出ていった。そして最後の一人が家を出て行った。

「時は来た!」

頭の中を「ミッションインポシブル」のテーマが流れ始めた。

不可能が可能になる日がやってくるのだ。

僕は前々から準備をしてあった来客用の布団をすぐさま取り出し、計画の部屋へ搬入する。それから寒さが残るこの時期の

ためにストーブを1台、もちろん灯油は満タン。ムードづくりのためにCDデッキ。そして最終兵器の「飯島愛」とテレビデオ。

完璧だった。2時間前まで誰も使っていないただの物置部屋が即席ラブホテルに見事に変貌をとげた。

トム・クルーズも匠もここまではできないはず。

あとは彼女を石原さんを連れてくるだけだ。

ここからが、第2のミッション。

家族の仕事は家からは目と鼻の先にある。また、家族だけではない。家の前のお肉屋さんのおばちゃんだって、その隣の

魚屋さんのおじちゃんだって僕のことは知りつくしている。その何十人の視線の隙をかいくぐり僕は彼女を家へ連れて来なく

てはならない。チャンスは一度きり。

無事に待ち合わせ場所の銀行の駐車場に到着した。

そうすると車の陰から彼女が姿をみせた。

まるで、湖から金の斧もってきた女神のように、寒い日に生足にミニスカート。

「僕の斧はキンキンです」

そうして、僕と石原さんは数々の視線をくぐり抜け、ようやく匠のつくったあの部屋へ到着した。

そこはストーブのおかげで、真夏のような暑さ。

二人はすぐにきていた上着を脱ぎ、リラックスモード突入である。

どれぐらいの時間世間話をしたのかは、まったく覚えていない。

気がつくと、僕は一生懸命だった。

何が何だかわからい状況に終始戸惑いつつも、ようやく、その時がやってきた。

あまりにもの暑さで僕の顔からは滝のような汗が流れ出ていた。その汗が僕の頬から顎へ、その汗が彼女の胸元へ

落ちていく。

そして、彼女は痛みの中、覚悟を決めてくれた。

僕もあまりの緊張と自分のテクニックのふがいなさで金の斧が銀の斧へそして最後はやっぱり石の斧へと変わっていく。

それでも僕らはおとぎ話のように真実の愛へとつながった。

今から18年前の甘くて痛い思い出。

 

 

 

 

僕の通っていた中学校は受験なしでそのまま高校へ進学できる便利な高校だった。

そのせいもあって中学3年は実に充実していたように思えていた。

勉強に友達に部活に恋に・・・・

中学3年の僕はある偉業を成し遂げようとしていた。

 

それはSEXだ。Cだ。

 

もちろんキス、Aは済ませてあった。

教室で駅のホームでどこかのビルの非常階段でカラオケボックスでバラ園で・・・

 

中2から中3になる間にAを済ませ、5月にはBを済ませた。

ただのBじゃなくB’もB+αも済ませた。

もう僕にはCしか見えてなかった。

6月もABABABABABABABABの繰り返し。

7月、中学生最後の夏休み。

ABABABABABABABABABABの繰り返し。

8月、暑い夏が終わる。

BABABABABABABABABABABAの繰り返し。

 

9月に入っての初めてのデート。

Cを味わいたい僕はある手段に出た。

幅90㎝、高さ180㎝くらいある巨大なポスターをもってデートに挑んだ。

そんな大きなポスターを何回も何回も折り曲げて小さくして、こそっと、かばんに忍ばせていた。

順調にデートは進んでいった。

そしていつもカラオケボックスに行く。

最低でもAとBは堪能できるカラオケボックス。でも、その日は違っていた。

僕にはあのポスターがある。

部屋に入るなり、喉を潤すためにジュースを注文。そして何かに詫びるかのようにケーキを一緒に注文した。

そして、適当に曲を数曲いれ、ジュースもAメロも来てないのに僕らはAをした。

ただのAでなくA+αだった。彼女も受け入れてくれている、求めている。

そして、このタイミングでかばんの中から大きなポスターを出し、間髪いれずに広げ、ポスターと一緒に準備していた

セロハンテープでカラオケボックスの部屋の扉を塞いだ。

完成。

あっけにとられたのかAの効果なのか、彼女の顔はほころんで見えた。

「いけそうな気がするぅ~」

何年後かに流行るはずのギャグをこの時点で僕は使っていた。

 

もう一度Aからおさらいだ。A、A’、A+α・・・AそしてB、B、B、B’、B’、B’、B+α、B+αそしてB+α’。

彼女もこの作戦に安心してくれたのか、いつもよりスムーズだ。

いよいよだ。

Cだ。SEXだ。

両手と両足と口が塞がっている僕は、最終確認のためわずかに動かせる目を使いポスターの状況を確認した。

 

完璧についてある。

完璧どころかジュースとケーキまでちゃんと部屋の中にいれてある。

 

「やっちまったなぁ」

また数年後に流行るギャグを僕は使っていた。

いつの間にか扉を開け、そして状況を確認したのち声をかけずらかった店員さんがそっと置いて行ったジュースとケーキ。

どの段階を見られた、A?B+α?もしかしてB+α’。

 

僕の異変に気付いた彼女も固まっていた。

二重でかわいい彼女の目もこの時ばかりは固まっていた。

 

18年前のあつい夏の出来事。

 

 

僕は恋愛していた。

駅から学校まで、学校から駅まで、時には彼女の家まで。

一緒に歩いていた。

誰もいなくなったら手をつないだりして。

交換日記もしたりした。

お互いのロッカーにノートを置いてくる。あどけないロッカーが僕らには真っ赤なポストのように見えていた。

休み時間になるたびに彼女の教室までなにげなく彼女の様子を見に行く。

これをなにげなく毎時間ごと毎日していた。

もちろん、彼女のことを好きだった。

でも、どこか不安もあった。

やはり、坂本君の存在がちらついて仕方がなかった。

もしかしたら・・・まさか・・・実は・・・。頭がくるくる回っていた。

だから、そのためにも彼女を見ていたかった。

 

嫉妬を覚えた17年前のこと。

僕は本当に付き合ってるのだろうか。

何度も何度も考えてしまった。

ちょうどそんな時期にもう一つの事件が起こっていた。

とある日曜日のこと。野球部の試合に僕は行っていた。

中3の先輩たちもようやく引退してくれてやっと中2中心での試合なのだ。

僕は野球部の中では一番足が速く、力も一番。だけどフライをとるのが大の苦手だった。

そんな僕はレギュラーではなくベンチで出番を待っているという状態だった。

チームは2点差で負けていて終盤を迎えていた。

ランナーは2塁3塁と一打出れば同点逆転とビックチャンス。

打席には守備は上手いがバッティングはダメな奴。

監督は立ち上がり、代打を審判に要請。

僕の体は燃え上がっていた。緊張など感じる隙さえなく、頭の中はホームランのイメージしか湧いてこなかった。

「代打、山口」

監督の声が響き渡る。

why?

なぜなんだ。なぜ山口。なぜ一年を出す。

次の日の練習に僕の姿はなかった。

その次の日もその次の日も。

それから数日のこと。

僕はグランドに戻ってきた。野球部のグランドのすぐ隣にあるサッカーグランドに。

野球部の連中は目を丸くして僕を見てた。

why?

野球部で鍛えた下半身はすぐさまサッカー部活かされた。

僕は輝いていた。誰よりも輝きを放っていた。

第二の人生をのせたボールは大きく空へ舞い上がったんだ。

舞い上がりすぎたボールを追いかけグランドの隅にボールを取りに行くことも幸せだった。

あの時もそうだった。

勢い余ったボールはグランドの隅に転がって行った。

導かれるようにそのボールはブラスバンド部の練習場まで転がって行った。

ボールを追いかけるその先には彼女がいた。

学年一かわいくてフルートが得意な石原さん。

ボールを追いかけているのか、石原さんをめざして走ってるのかわからなかった。

その距離はどんどん縮まっていく。

なにを話せばいいのかわからない。ボールを取って練習の邪魔にならないように立ち去るのがベストなのか。

飛びつくのがベストなのか。

「今日、一緒に帰ろう」

彼女からの不意の問いかけだった。

これがベストだった。

今から14年前、Jリーグ発足の1年前の出来事。

 

 

 

あのクリスマスパーティーから2週間が過ぎた。

いつもと変わらない正月を迎え、そして過ごし、気づけばもう3学期を迎えていた。

この冬休みがどれだけあの事件を風化させているのか少し楽しみなところもあった。

いや、もしかしたら二人の関係は元に戻ってるのかもしれない。

それはそれでいいことだ。

とにかく早く二人に会ってみたかった。

先にあったのは石原さんのほうだった。

坂本君の友達でもある僕は他の男子がうらやましがるほど石原さんと普通に会話ができるようになっていた。

「おはよう」「おはよう」

 

まったく解らない。

 

やはり、坂本君を待とう。

待つこと3分、彼はこちらの質問を分かってたかのようにその答えを持ってきた。

いや、連れてきたというほうが正しいのかもしれない。

「おはよう」「おはよう ニヤッ」

 

なるほど。

 

中2の僕にデリカシーという言葉は存在していなかった。

僕は予感が確信に変わったとたん、石原さんの元へ走った。

「ふられたんだね。大丈夫?」

「でも元気そうだね」

次々出てくる僕からの言葉の暴力。

言葉の暴力はさらにエスカレートしていき、とうとう夜、彼女の家に電話をしてまでも続いた。

僕は彼女に何発浴びせたのだろう。そして、最後のとどめの一発。

 

「今後の告白するための練習していい?」

「いいよ」

「好きになったんだけど付き合ってくれませんか?」

「・・・いいよ」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

くしくも、テニス部の女の誕生日の1月30日の出来事。

 

 

坂本君。ちょっと小柄だけど、笑顔がなかなかで、憎めないやつ。ちょっと悪ぶっててだけど女にやさしい。

野球部のエースで彼女は学年一かわいい石原さん。

 

でも、坂本君はひとりの女性でなくふたりの女性を好きになってしまった。

 

それを知ったのは文化祭も終わり、冬を迎えた12月。

坂本君について、僕と坂本君はアクセサリー屋に来ていた。

坂本君の手にはピアスとネックレス。

どちらを買うか迷ってるわけでなく、どちらをどっちにあげようか迷っている。

中2の僕にはありえないほどの大人の風景だった。

「さすが、坂本君」

そんな、言葉を言ったのか思ったのかはわからないが、とにかく興味シンシンだった。

結局、安いほうを石原さんにということで、大人買いは終了した。

 

それから、2週間後のクリスマスイブ、僕らはクラスの仲のいいメンバーと僕の家でワイワイするパーティーを開いていた。

もちろん、そこには坂本君はいない。でも、坂本君が新たに愛した女性はいる。

僕はもうドキドキしていた。

あのプレゼントはもらったのだろうか。石原さんとデートしていることをどう思っているのか。

聞きたいことが山のようにあった。

でも、彼女の表情はいつもと変わらず、さすがテニス部だけある明るい笑顔で場を楽しんでいた。

パーティーも中ごろになったころ、突然、扉があいた。

 

予定外の坂本君の登場である。

 

デートしているはずなのにwhy?

僕はすかさず

テニス部の笑顔を振りまいていた彼女を見た。

女の笑顔に変わってる。

 

「東京ラブストリー」にドキドキしていた18年前のクリスマスの出来事である。

あれから2か月。いろいろな方から続編を願う声をいただきました。

そこで、sex on the beachを再開いたします。

 

鮎川まどかに捨てられた僕は途方に暮れていた。

というか、あまりにも大きな未練をのこしていた。

不思議と戻ってくる自信みたいなものもあったのかもしれない。

だから、普通に声を掛けれなかった。声をかけてしまうと友達になってしまいそうで。

暑い夏が終わり女子生徒のブラの線もすけなくなる冬服の時代がやってきた。

このとき初めて「女心と秋の空」って言葉を覚えた。

僕の心はまだあの夏の空なのに・・・

 

みじめな僕を待ってくれず文化祭のシーズンがやってきた。

まだ純情な僕にはこの文化祭がもつもう一つの意味を知らなかった。

そうです。恋なんです。

文化祭と言えば恋なんです。いいんです。恋してもいいんです。

クラスの男女が仲良く一つの目標に向かってめざしていく。

恋が芽生えないわけがない。

しかし、その魔法のようなコイゴコロは僕を通りすぎ、あの男に直撃していた。

 

学年一かわいい彼女を持ち、野球部でも先輩たちが引退しあとのエースの座をしっかしと確保している男。

坂本君。

彼に突然その魔法が降り注いだのだ。あってはならない恋なんです。

 

sex on the beachは作者のモチベーション低下を理由に誠に勝手ながら、終了とさせていただきます。

一部のコアなファンの皆様、今までお付き合いくださいましてありがとうございました。

2017年6月

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