僕の通っていた中学校は受験なしでそのまま高校へ進学できる便利な高校だった。

そのせいもあって中学3年は実に充実していたように思えていた。

勉強に友達に部活に恋に・・・・

中学3年の僕はある偉業を成し遂げようとしていた。

 

それはSEXだ。Cだ。

 

もちろんキス、Aは済ませてあった。

教室で駅のホームでどこかのビルの非常階段でカラオケボックスでバラ園で・・・

 

中2から中3になる間にAを済ませ、5月にはBを済ませた。

ただのBじゃなくB’もB+αも済ませた。

もう僕にはCしか見えてなかった。

6月もABABABABABABABABの繰り返し。

7月、中学生最後の夏休み。

ABABABABABABABABABABの繰り返し。

8月、暑い夏が終わる。

BABABABABABABABABABABAの繰り返し。

 

9月に入っての初めてのデート。

Cを味わいたい僕はある手段に出た。

幅90㎝、高さ180㎝くらいある巨大なポスターをもってデートに挑んだ。

そんな大きなポスターを何回も何回も折り曲げて小さくして、こそっと、かばんに忍ばせていた。

順調にデートは進んでいった。

そしていつもカラオケボックスに行く。

最低でもAとBは堪能できるカラオケボックス。でも、その日は違っていた。

僕にはあのポスターがある。

部屋に入るなり、喉を潤すためにジュースを注文。そして何かに詫びるかのようにケーキを一緒に注文した。

そして、適当に曲を数曲いれ、ジュースもAメロも来てないのに僕らはAをした。

ただのAでなくA+αだった。彼女も受け入れてくれている、求めている。

そして、このタイミングでかばんの中から大きなポスターを出し、間髪いれずに広げ、ポスターと一緒に準備していた

セロハンテープでカラオケボックスの部屋の扉を塞いだ。

完成。

あっけにとられたのかAの効果なのか、彼女の顔はほころんで見えた。

「いけそうな気がするぅ~」

何年後かに流行るはずのギャグをこの時点で僕は使っていた。

 

もう一度Aからおさらいだ。A、A’、A+α・・・AそしてB、B、B、B’、B’、B’、B+α、B+αそしてB+α’。

彼女もこの作戦に安心してくれたのか、いつもよりスムーズだ。

いよいよだ。

Cだ。SEXだ。

両手と両足と口が塞がっている僕は、最終確認のためわずかに動かせる目を使いポスターの状況を確認した。

 

完璧についてある。

完璧どころかジュースとケーキまでちゃんと部屋の中にいれてある。

 

「やっちまったなぁ」

また数年後に流行るギャグを僕は使っていた。

いつの間にか扉を開け、そして状況を確認したのち声をかけずらかった店員さんがそっと置いて行ったジュースとケーキ。

どの段階を見られた、A?B+α?もしかしてB+α’。

 

僕の異変に気付いた彼女も固まっていた。

二重でかわいい彼女の目もこの時ばかりは固まっていた。

 

18年前のあつい夏の出来事。

 

 

僕は恋愛していた。

駅から学校まで、学校から駅まで、時には彼女の家まで。

一緒に歩いていた。

誰もいなくなったら手をつないだりして。

交換日記もしたりした。

お互いのロッカーにノートを置いてくる。あどけないロッカーが僕らには真っ赤なポストのように見えていた。

休み時間になるたびに彼女の教室までなにげなく彼女の様子を見に行く。

これをなにげなく毎時間ごと毎日していた。

もちろん、彼女のことを好きだった。

でも、どこか不安もあった。

やはり、坂本君の存在がちらついて仕方がなかった。

もしかしたら・・・まさか・・・実は・・・。頭がくるくる回っていた。

だから、そのためにも彼女を見ていたかった。

 

嫉妬を覚えた17年前のこと。

僕は本当に付き合ってるのだろうか。

何度も何度も考えてしまった。

ちょうどそんな時期にもう一つの事件が起こっていた。

とある日曜日のこと。野球部の試合に僕は行っていた。

中3の先輩たちもようやく引退してくれてやっと中2中心での試合なのだ。

僕は野球部の中では一番足が速く、力も一番。だけどフライをとるのが大の苦手だった。

そんな僕はレギュラーではなくベンチで出番を待っているという状態だった。

チームは2点差で負けていて終盤を迎えていた。

ランナーは2塁3塁と一打出れば同点逆転とビックチャンス。

打席には守備は上手いがバッティングはダメな奴。

監督は立ち上がり、代打を審判に要請。

僕の体は燃え上がっていた。緊張など感じる隙さえなく、頭の中はホームランのイメージしか湧いてこなかった。

「代打、山口」

監督の声が響き渡る。

why?

なぜなんだ。なぜ山口。なぜ一年を出す。

次の日の練習に僕の姿はなかった。

その次の日もその次の日も。

それから数日のこと。

僕はグランドに戻ってきた。野球部のグランドのすぐ隣にあるサッカーグランドに。

野球部の連中は目を丸くして僕を見てた。

why?

野球部で鍛えた下半身はすぐさまサッカー部活かされた。

僕は輝いていた。誰よりも輝きを放っていた。

第二の人生をのせたボールは大きく空へ舞い上がったんだ。

舞い上がりすぎたボールを追いかけグランドの隅にボールを取りに行くことも幸せだった。

あの時もそうだった。

勢い余ったボールはグランドの隅に転がって行った。

導かれるようにそのボールはブラスバンド部の練習場まで転がって行った。

ボールを追いかけるその先には彼女がいた。

学年一かわいくてフルートが得意な石原さん。

ボールを追いかけているのか、石原さんをめざして走ってるのかわからなかった。

その距離はどんどん縮まっていく。

なにを話せばいいのかわからない。ボールを取って練習の邪魔にならないように立ち去るのがベストなのか。

飛びつくのがベストなのか。

「今日、一緒に帰ろう」

彼女からの不意の問いかけだった。

これがベストだった。

今から14年前、Jリーグ発足の1年前の出来事。

 

 

 

あのクリスマスパーティーから2週間が過ぎた。

いつもと変わらない正月を迎え、そして過ごし、気づけばもう3学期を迎えていた。

この冬休みがどれだけあの事件を風化させているのか少し楽しみなところもあった。

いや、もしかしたら二人の関係は元に戻ってるのかもしれない。

それはそれでいいことだ。

とにかく早く二人に会ってみたかった。

先にあったのは石原さんのほうだった。

坂本君の友達でもある僕は他の男子がうらやましがるほど石原さんと普通に会話ができるようになっていた。

「おはよう」「おはよう」

 

まったく解らない。

 

やはり、坂本君を待とう。

待つこと3分、彼はこちらの質問を分かってたかのようにその答えを持ってきた。

いや、連れてきたというほうが正しいのかもしれない。

「おはよう」「おはよう ニヤッ」

 

なるほど。

 

中2の僕にデリカシーという言葉は存在していなかった。

僕は予感が確信に変わったとたん、石原さんの元へ走った。

「ふられたんだね。大丈夫?」

「でも元気そうだね」

次々出てくる僕からの言葉の暴力。

言葉の暴力はさらにエスカレートしていき、とうとう夜、彼女の家に電話をしてまでも続いた。

僕は彼女に何発浴びせたのだろう。そして、最後のとどめの一発。

 

「今後の告白するための練習していい?」

「いいよ」

「好きになったんだけど付き合ってくれませんか?」

「・・・いいよ」

 

「・・・・」

「・・・・」

 

くしくも、テニス部の女の誕生日の1月30日の出来事。

 

 

坂本君。ちょっと小柄だけど、笑顔がなかなかで、憎めないやつ。ちょっと悪ぶっててだけど女にやさしい。

野球部のエースで彼女は学年一かわいい石原さん。

 

でも、坂本君はひとりの女性でなくふたりの女性を好きになってしまった。

 

それを知ったのは文化祭も終わり、冬を迎えた12月。

坂本君について、僕と坂本君はアクセサリー屋に来ていた。

坂本君の手にはピアスとネックレス。

どちらを買うか迷ってるわけでなく、どちらをどっちにあげようか迷っている。

中2の僕にはありえないほどの大人の風景だった。

「さすが、坂本君」

そんな、言葉を言ったのか思ったのかはわからないが、とにかく興味シンシンだった。

結局、安いほうを石原さんにということで、大人買いは終了した。

 

それから、2週間後のクリスマスイブ、僕らはクラスの仲のいいメンバーと僕の家でワイワイするパーティーを開いていた。

もちろん、そこには坂本君はいない。でも、坂本君が新たに愛した女性はいる。

僕はもうドキドキしていた。

あのプレゼントはもらったのだろうか。石原さんとデートしていることをどう思っているのか。

聞きたいことが山のようにあった。

でも、彼女の表情はいつもと変わらず、さすがテニス部だけある明るい笑顔で場を楽しんでいた。

パーティーも中ごろになったころ、突然、扉があいた。

 

予定外の坂本君の登場である。

 

デートしているはずなのにwhy?

僕はすかさず

テニス部の笑顔を振りまいていた彼女を見た。

女の笑顔に変わってる。

 

「東京ラブストリー」にドキドキしていた18年前のクリスマスの出来事である。

あれから2か月。いろいろな方から続編を願う声をいただきました。

そこで、sex on the beachを再開いたします。

 

鮎川まどかに捨てられた僕は途方に暮れていた。

というか、あまりにも大きな未練をのこしていた。

不思議と戻ってくる自信みたいなものもあったのかもしれない。

だから、普通に声を掛けれなかった。声をかけてしまうと友達になってしまいそうで。

暑い夏が終わり女子生徒のブラの線もすけなくなる冬服の時代がやってきた。

このとき初めて「女心と秋の空」って言葉を覚えた。

僕の心はまだあの夏の空なのに・・・

 

みじめな僕を待ってくれず文化祭のシーズンがやってきた。

まだ純情な僕にはこの文化祭がもつもう一つの意味を知らなかった。

そうです。恋なんです。

文化祭と言えば恋なんです。いいんです。恋してもいいんです。

クラスの男女が仲良く一つの目標に向かってめざしていく。

恋が芽生えないわけがない。

しかし、その魔法のようなコイゴコロは僕を通りすぎ、あの男に直撃していた。

 

学年一かわいい彼女を持ち、野球部でも先輩たちが引退しあとのエースの座をしっかしと確保している男。

坂本君。

彼に突然その魔法が降り注いだのだ。あってはならない恋なんです。

 

sex on the beachは作者のモチベーション低下を理由に誠に勝手ながら、終了とさせていただきます。

一部のコアなファンの皆様、今までお付き合いくださいましてありがとうございました。

ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

この6文字が永遠と繰り返していた。

 

お母さんが勝手に開けた人生で初のラブレターはなんとも言えないものになった。

でも、ぼくはこの彼女のなんとも言えない切ない手紙にまた一つ恋をした。

こうして僕の長い夏休みは終わっていった。

僕はなんとも言えない気持ちのまま、新学期の教室へ向かった。

教室に行く途中必ず通る2組の教室。1学期のぼくは何も気にせず通り過ぎてた2組の教室をなんとも言えない気持ち

ちら見する。そこに映る彼女の背中をみて、終わった恋だけどなんだか始まる予感さえ感じてしまった。

すこし大人になった僕は4組の自分のクラスへと入って行った。

誰からか噂話をされるじゃないかとか、恋の相談をされるんじゃないかとか、僕は自信に充ち溢れていた。

そこに入ってきた一つの話がこれだ。

「あの鮎川まどかに彼氏がいるらしい。それも野球部。

 

それも2組」

「ヘーそうなんだ」僕の最大級の返しである。

グッパイ鮎川まどか、グッパイ中二の夏。

鮎川まどかが「魔性の鮎川」と呼ばれる3年前の話。

 

わが高校野球部は奇跡的に勝ち続けた。

それと逆にぼくたちの恋は順調にゆっくりだけど進んでいった。

僕のウォークマンにはあの日からTUBEではなく、彼女が歌ってくれたレベッカがいつも入っていて、それを大事に聞いてい

るそんな日々だった。

というのはあれで、正直言うとこれからどう進めばいいのか分からなかったのかもしれない。

手をつないで抱き寄せてキスをすればおのずと進むのだろうが、そういうルールはあの時の僕にはなかった。

ただ、野球があるその日にみんなに混ざりながらも二人でいるのが精一杯でした。

奇跡が終わる朝、僕はいつものように電車に乗った。

今までと違うのはその時間のその車両には鮎川さんがいるということ。

それも一人だ。

奇跡が終わるのを予感してたかのようにその日は朝から二人の時間が続いた。

球場までの50分と試合時間の2時間と終わってからの3時間。

僕の体感時間はこの5時間50分が10分ぐらいに感じていた。

せっかく長い時間いれたのに、その日の野球は今までの勝ちが嘘かのような惨敗をしてしまっていた。

その応援を一応していた僕たちはその負けの雰囲気を引きずって、遊んでいた。

でも、野球は負けたけど、僕はまだ負けてない。

この時の僕の脳みそはおそらく人生で初めて、恋のために動いていた。

次に会うきっかけがないのだから。

できたばかりの恋脳で僕は危機を判断し、次の手を考えた。

『遊園地に行こう』

精一杯の決断だった。

そんな僕を見て鮎川さんは間も開けづにOKしてくれた。

そうなんだ、僕の恋はまだ始まったばかり。野球でいえば1回の裏か2回の表ぐらい。

その敗戦の日から1週間後に設定した遊園地プロジェクトに向け、僕は動き出した。

よく女性をデートに誘うなら1週間後いいというのがよくわかる。

その日に向け、僕は初めて男を磨こうとしていた。

髪を切り、服を買い、交通手段を念入りにチェックし、食事の場所、・・・

考えることが尽きない。

遊園地プロジェクトを三日後に迎えた僕のもとに封のあいた一通の手紙がきた。

差出人は鮎川まどか。持ってきたのはお母さん。

今から18年前の夏の出来事。

高校野球部にとっての3回戦目の朝。

僕にとっての2回戦目の朝である。

僕はこの日、攻めた。

鮎川さんといつも一緒に来ている女の子から入っていこうと思った。

その女の子が誰だったのか、どんな顔をしてたのか、今現在の僕の記憶には全くない。

ただ、その子を利用して鮎川さんへ話しかけれることができたことの記憶がある。

入り込みは自分が想像してたよりスムーズだった。

気がつけば、鮎川さんと記憶にない女の子の間に僕がいるという形をつくっていた。

そして、緊張全開にも関わらす、僕は話しまくった。

高校の先輩たちがグランドで頑張っている。

僕はスタンドで頑張っている。

でも、しっかり、僕も応援していた。勝ってくれないと僕も次に進めないからである。

そんな、自分勝手な応援のかいもあり、高校野球部はまた勝ってしまった。それも最終回に逆転するというドラマチックに勝ってくれた。

鮎川さんは野球部の勝利を喜んだ。そのうれしそうな顔がかわいくてしかたがなっかた。

そのニヤついた自分の顔を隠すためにも僕も野球部の勝利を喜んだ。

その日の帰り、坂本君がナイスな提案をしてくれた。

みんなでボーリングに行こうというのだ。

もちろん、僕は鮎川さんを誘った。鮎川さんもそれを快く受けてくれた。

(「ナイス、坂本君」)

ボーリングをしたり、ゲームをしたり、ジュースを飲んだり、楽しかった。

どんどん、自分が大人の階段を上っている気がした。

そして、気がつけば、僕と鮎川さんは一緒に遊んでいる。

そして、人生初のカラオケへ鮎川さんを誘った。

当時は今のようなカラオケボックスも少なく、ボーリング場に畳一枚分の個室があり、その中にカラオケの機械があって

100円で一曲歌うという形だった。

二人っきりになりたくて入ってはみたものの、人前で歌うことなんて初めてだし、それもいきなり、好きな人の前なんて。

男になってやる、そう心に誓い、僕は100円を投入した。

 

♪あ~夏休み/TUBE

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