urban planning

今日、某大学に共同研究の提案に行ってきました。

 その事業の内容は、地域に残る文化資源について、既存文献・古地図の整理やヒアリングなどで収集し、自治体HPにアーカイブとして掲載し、年代や資源の種類等によって分類し、情報発信するというもの。市民が誰でも投稿・更新でき、古地図と現代の地図が重なり、画像や映像も掲載されている“ウィキ”のようなものを作れないかと…。

 各地域で、先祖代々受け継いできた昔話や、仏像や文献などといった文化的な財産、建物などがどんどん失われているなか、これをなんとか受け継ぎながら、発信できないかという取り組みです。

 しかし、ここで問題が。その既に予算の枠は決まっているのですが、人手が足りないのです。既存の文献を整理して、地元の方々(高齢者が多い)にヒアリングするのは結構ボリュームのある作業です。

 そこで、大学の学生に研究として関わってもらえないかということになり、提案に行ってきたのでした。

 最近、大学と地域との連携・貢献は重要視されているので、こういった取り組みに参加することは大学の目的ともバッチリ合います。大学側からも「是非連携したい」という返事をもらっており、3月頃から連携の仕方を探っていました。

 しかし、結果、ご破談になりました。

 その理由は、この事業に合致するテーマの授業がないこと、地域文化収集・活用に関する研究をしている、研究室を持っている先生がいないこと。また、歴史文化を研究するサークル・同好会はとうの昔になくなり、先生達が個人的につきあいのある学生を強制的に動員するようなことはできないということで、残念ながらあきらめざるを得ませんでした。

 アルバイトとして呼びかければ学生は集まるかもしれませんが、ただ人手を集めてHPをつくることが最終目的ではありません。役所が事業に対して予算をつけている間だけでなく、後々までこの動きが継続するような体制・仕組みをつくることができればいいなと思っています。

社会的には本当に意味のあることなのですが、なかなかうまく行きませんね。そういった活動をするNPOや社会起業家の方々がいませんかね?

 最近、福岡県内、佐賀県など北部九州で、大型の農産物直売所・道の駅が続々オープンしている。昨年4月には前原市にJA糸島が経営する「伊都菜彩」がオープンし、ほぼ同時期に朝倉市に「三連水車の里あさくら」が開業した。また、今後も久留米市に「道の駅くるめ」(平成20年5月)、筑前町に「ファーマーズマーケット」(平成20年4月)が開業する予定であり、この他佐賀市北部や宗像市、宮若市でも直売所の計画がある。これらの直売所の多くは、計画段階で数億円の売り上げを期待しており、それだけ増えて本当に大丈夫かな?という疑問も感じてしまう。しかし、伊都菜彩は年間12~13億円という目標に対して、すでに予想を上回る売り上げをあげている。三連水車の里にしても、同じ国道沿いの4㎞しか離れていない場所に年間65万人が訪れる「道の駅原鶴」があるにも関わらず、当初の目標どおり40万人の来客を達成しそうとのことで、需要はかなりあるようだ。しかもこれらの店舗の施設構成は、レストランや加工所などを併設するなど多様化しており、「農作物を農協に出し終わった後、出せない農産物を安く売る」という一昔前の直売所のイメージとは全く違った形態に進化してきている。

 全国的に見ても直売所は増加しているようだ。 (財) 都市農山漁村交流活性化機構が出しているデータによると、全国の常設・有人の直売所数は、平成14年に2,224店(推定売上約2,500億円)であったのが、平成17年では4,654件(推定売上4,500億円)と、約2倍に増加している。
 この「直売所隆盛の時代」の中で、事務所内でも、お客さんはどのような行動をしているのか、各店舗はどのような取り組みをしているのか、経営は成り立つのか、商品は確保できるのかなどといった直売所に関する話題が多くなってきている。私個人も毎日直売所で買った野菜を食べ、週末は福岡市西部~佐賀県北部の直売所巡りを楽しむなど、日常生活における直売所への依存が昔と比べてかなり高くなっている。今年、地域情報化の将来像を描く業務や観光計画の実行に関わったが、そこでも直売所に期待する役割は多く、地域における直売所の重要性が高まっているようだ。そこで今回、福岡県西部、佐賀県の直売所の動向について調べてみた。


●福岡県では、中小の直売所の淘汰が起きており、大規模化が進んでいる

 福岡県では、農政部農業技術課石田さんにお話を伺った。 

 直売所数はH15年の259件をピークに減少しており、平成18年度で230件となっている。売り上げは増加の一途であり、平成10年に売り上げが57億円であったのが、平成18年度では200億円に増加した。売り上げが数億円規模の大規模直売所が開業し、周辺の直売所の淘汰が起きている。
 二丈町の「福ふくの里」は、県内の直売所のモデルケースの一つ。露地栽培が多いので品不足になりやすいため、ハウス野菜確保のため、ハウス建設の補助を行っている(直売所がビニールハウス設置費用の3割を負担し、残りの7割を5年間で返済してもらう仕組み)。このほか、観光情報発信やイベントの開催などの地域活動を積極的に行っている。


●佐賀県の直売所数は横ばいだが、生産者の高齢化が課題になっている

 佐賀県では、生産振興部生産者支援課熊谷さん、石松さんにお話を伺った。

 佐賀県の直売所数は、H13、14年の163件をピークに微減したが、その後やや持ち直し、平成18年度では157件となっている。個々の直売所の売り上げは、横ばいまたは増加している。
 直売所が減少した理由としては、複数の直売所が統合して一つの大型の直売所になるケースがある。また、最近の傾向として、農家・生産者の高齢化がますます進んでおり、消費者のニーズに対応した生産物が確保できないため、やむなく閉店するケースが出てきている。
 POSなど、情報機器を使った生産・出荷の管理については、生産者が高齢者が多いため、技術の習得が追いつかないという話を聞く。直売所の情報化は、全国の先進事例と比較してまだ進んでいない。
 消費者と生産者が作物について会話したり、農業体験をしたり、農業をベースにした直売所だからこそできる役割がある。また、直売所は地域の生産者同士が触れあう場、寄り合いの場になっている。
 唐津市七山村の「鳴神の庄」をはじめとした佐賀県の直売所は、福岡市内のスーパー内のインショップで商品を売っている。インショップは生産者にとってのアンテナショップの役割を担っており、そこで売れ行きの良かった、核家族に対応した少ロット販売などの商品を直売所でも展開している。インショップと直売所は補完し合う役割になってきている。


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福岡・佐賀県の直売所数の推移

●福岡都市圏住民の日帰り観光・ドライブの目的地に
 直売所の利用客について、最も多いのは地元の人であり、地域の日常的な買い物の場となっている。佐賀市北部の山間地にある直売所では、魚が一番最初に売り切れるそうだ。山で魚が?というイメージを持たれるかもしれないが、山あいに住む地元の人にとって魚を買うことができる場所はそう多くない。

 また、福岡都市圏からの日帰り観光客も大きなターゲットとなっている。唐津市七山村の「鳴神の庄」、佐賀市大和町の「道の駅大和そよかぜ館」の利用客は、約5割が地元、3~4割が福岡都市圏からの客と言われている。所員の話では、特定の生産者の商品を指名買いしながら直売所を“はしご”する人もいるようだ。

 また、周辺は海・山の自然に恵まれ、風光明媚なところで、絶好のドライブコースとなっている。さらに、伊都菜彩の「あまおうのソフトクリーム」や、道の駅大和そよかぜ館の「渋柿ソフト」など、女性が好きなスイーツや、牡蠣小屋、農家レストランなど、地域独自の食も非常に充実している。これらを組み合わせながら、思い思いにドライブを楽しむスタイルは、福岡都市圏住民の手軽な日帰り観光の大きな選択肢になっている。

 食の安全へのニーズや健康志向は益々強くなっているなか、福岡都市圏の人口は今後も増加すると予想され、中でも時間とお金に余裕のある“アクティブシニア”が増加している。加えて、大型で情報発信力のある直売所が集積してくることで、「直売所が集まっている地域」というイメージが伝わりやすくなることから、集積による相乗効果も期待できる。道路環境の整備も進んでおり、人の動きを見ると、直売所には様々な追い風が吹いているように見える。


●直売所の役割は多様化している

 各直売所の状況についてみると、大規模な直売所が増え、既存の直売所には、差別化を図るところも出ている。特に都市圏西部では伊都菜彩という巨大直売所ができた影響で、周辺の直売所は魚や加工品を充実させるなど独自色を打ち出しているようだ。

 全国的にみると、直売所での野菜の売れ行きを携帯電話でリアルタイムで確認できる仕組みを導入しているところなどがあるが、福岡・佐賀両県の直売所ではまだそこまでの技術を導入しているところはないそうだ。また、食材の生産から消費までを追跡する“トレーサビリティー”についても、履歴を明らかにしたからこその食材への付加価値と、導入コスト・手間を天秤にかけると、まだ導入に踏み切れないという話だった。そういう意味では、まだ今後の生産・流通のコストダウンや、履歴を表示することによる差別化など、技術革新の余地は多いのかもしれない。

 また直売所には、観光情報や地域情報の発信、付加価値のある加工品・レストランの展開、体験農業の提供など、直売所に求められる役割・機能がますます多様化するとともに、利用者へのサービスもいっそう充実してきている。一方で、大規模化・多角化したことの弊害として管理の目が行き届かなくなり、消費者の期待を裏切ることになるようなことがないよう、内部のルールづくりやモラルを遵守する必要性もよりいっそう増すだろうと思う。


●直売所は生産者にとってもメリットがある

 直売所は、生産者の収入面にとっても効果が大きい。農家が卸売市場を通じてスーパーなどの小売り店に200円の野菜を出すとき、農家の手取りは50~60円となる。一方、直売所での売値が180円の野菜において、直売所の手数料は15~20%であり、農家の手取りは約130~150円と2~3倍にもなる。通常の流通ルートにのせるよりも農家の収入が多く、流通にかかる時間が省けるため新鮮、また消費者の喜ぶ顔が見えるなど、直売所に出す方がメリットを感じることができる要素が多く、生産者のJA離れが進んでいると聞く。それに危機感を感じたJAが近年大規模直売所の経営に乗り出してきたため、大型直売所が林立してきたという状況もあるようだ。ただ、生産者や地元の理解なしに直売所の計画が一人歩きしたため、地元からの反発が起きたり、既存の店舗との生産者の奪い合いが起きているという話もある。


●安心・新鮮の他に、今後はどう地域に貢献しているかが問われるのでは?

 大規模化、多角化がいいことかどうかの議論はさておき、このような現状のなか、直売所には新しい役割や責任が求められている。直売所はもはや単なる「直売所」ではなく、「交流・集客の拠点施設」「まちづくりの核となる施設」としての位置づけが増しており、グリーンツーリズムや特産品開発など、農村の資源を活かした取り組みを総合的に展開していくための核となる施設になっている。今後は、安全・安心・新鮮は最低条件としてクリアしたうえで、直売所がどれだけ地域に貢献しているかが問われる時代になってくるのではないか。

 最後に、佐賀市大和町にある「農事組合法人そよかぜ館」の事例を紹介させて頂きたい。農事組合法人そよかぜ館は、「道の駅大和そよかぜ館」の運営を市から委託されており、ここを拠点として、地域農産物の生産販売の拡大や、ホテル、保育園、病院等への地場産農産物の供給、農業体験教室等による消費者との交流、耕作放棄地を活用した体験農園、農家民泊などグリーンツーリズムの取組を行っている。このような地域貢献活動に対して国も高く評価しており、先日組合は、「平成19年度地産地消優良活動表彰 農林水産省生産局長賞」を受賞した。道の駅大和そよかぜ館の活動は、直売所の地域交流・貢献の一つのモデルケースになるかもしれない。

今週から、佐賀県の2010年代の情報化ビジョンである、「さがICTビジョン2008」が公開され、一般の意見公募の段階に入っています。

これで、この仕事は終わりになります。
丸田一さんの「ウェブがつくる新しい郷土」「地域情報化 認識と設計」といった著作を読み、地域情報化に興味を持ち始めていたときにこの仕事が入り、僕なりに一生懸命学びながら仕事をさせてもらいました。これからの地方都市にとって、地域情報化は大きなチャンスであり、数年後には暮らしが目に見えて変わると思うので、非常にやりがりのある仕事でした。

レポートというカタチですが、これが仕事の成果物になります。今後は、県と県内の様々な団体とが共働で組織した「さが・ユビキタスラボ」が中心となり、ビジョンを実現化されていくことになります。仕事は終わったけれども、これからも佐賀県の情報化の状況、特に農業など第一次産業の情報化に興味を持ち続けていきたいと思います。

さがICTビジョン2008(案)概要版PDF
さがICTビジョン2008(案)本文PDF

ものがたりで読む「さがICTビジョン」(案)

 福岡市が都心ビルの容積率を800%から1200%に緩和。これによって、現行では大凡6階~7階の建物しか建てられなかったのが、10階以上の建物も建てられるようになる。天神の姿が大きく変わる可能性を秘めた規制緩和ですねー。

 福岡市都心部における容積率は、1973年の建築基準法改正で、400~800%の指定がなされています。1973年の建築基準法改正以前に完成したビルについては、容積率の規定自体がなかったため、800パーセント以上のビルも多数ある。そういう、容積率800パーセント以上の古いビルを建て替えると、73年以降の厳しくなった容積率が適用され、結果として建て替えたビルは、以前よりも小さくなってしまう。だから古い建物の更新が進みにくかったのでした。

 1200%の容積率を実現するためには、地下道接続のバリアフリー化やアジア企業の誘致などの条件があるようです。以前、九州大学建築学科の出口教授が、「福岡市都心の魅力は、低層階でビルとビルを結ぶ“渡り廊下”や地下道のネットワークが縦横無尽に張り巡らされた回遊のネットワークだ」とおっしゃっていました。
 それらの低層・地下ネットワークは、これまでの容積率や航空法による、福岡市都心の高さ規制があったからこそ発展したという、昔のキリスト教弾圧の結果の地下教会の発展と似たようないきさつがあります(ちょっと違うか…)。

 九州経済界の次のネライは、空港移転による、航空法の高さ規制(博多駅周辺で約50m、天神付近で70mの制限)の撤廃なんでしょうか。もしそれが実現すると、福岡都心で高層建築ラッシュが訪れるかも…。


西日本新聞3月7日記事より
「容積率緩和の運用基準説明 福岡市が議会委に」


 福岡市都心部の老朽化ビルの建て替えや都心再開発を促すため、「容積率緩和特例制度」の導入方針を打ち出している同市は7日、市議会の都市整備局担当委員会に、制度の具体的な運用基準を正式に説明した。

 新制度は、天神地区や博多駅地区のビル建て替えの際、「まちづくりの貢献度」に応じて容積率を現行の400‐800%から最大で400%上積み。一般への「公開空地」を設けた場合の算入分などを加えると、容積率は最大1200%以上になる。まちづくりの貢献度は「環境」「共働」「魅力」「安全安心」「九州アジア」の計5項目で評価する。

 旧都市計画法下で建てられたビルは、現行法では容積率が基準を超すケースが多く、ビル所有者が床面積の減少を理由に建て替えを渋る要因になっている。地元経済界からは、今回の容積率緩和策に「再開発のきっかけになる」と歓迎の声が上がっている。

佐賀県が「日経BP第1回自治体ITガバナンスランキング」の都道府県部門全国1位に選ばれました[emoji:v-237]

最近では、古川知事が総務省のICT成長力懇談会に出席され、地方自治体としての声や、電子自治体実現に向けての意見を発言されています。

 古川知事ブログ(ICT成長力懇談会での発言)
 総務省HP
(配付資料)

佐賀県は「ICT最先端県庁を目指す」という目標を掲げていましたが、その目標が実現されつつあるのでは?

日経BP2008年2月12日

 日経BPガバメントテクノロジーは2008年2月12日、地方自治体(都道府県・市区)のITガバナンスを評価する「第1回 自治体ITガバナンスランキング」(下表)をまとめた。ランキング1位は千葉県市川市、2位は福島県須賀川市、3位は大阪府高槻市だった。都道府県では佐賀県が1位となった(全体では4位)

 調査は、「地方自治体の情報システムに関する調査 2007」として2007年11月に全国の47都道府県・782市・23区(計852団体る。10月1日時点に存在した全都道府県・市・区)にアンケート票を郵送。470団体から回答を得た。設問を「基本戦略」「推進体制・人材育成」「予算・実行計画・評価」「調達・開発・運用」「セキュリティ・事業継続」「ユーザーとのコミュニケーション」の6カテゴリーに分けて配点、各カテゴリーごとの偏差値の平均値で総合順位を決めた。

記事へのリンク

今日は(財)福岡アジア都市研究所のセミナー、
「東アジアからの挑戦~文化産業と創造都市~」
に参加。

テーマは、文化力や創造性を軸にした産業育成・都市ブランドの形成について。
スピーカーは、
橋爪伸也氏(建築史家・都市計画家)
西山徳明氏(九州大学教授)
倪宝栄氏(福岡工業大学教授)。

以下概要。


 広告・放送・デザイン・音楽・芸術などの産業は、「創造産業(creative industry)」と呼ばれており、例えば原価100円の化粧品が1万円で売れるなど、原価に対する付加価値が非常に大きい産業である。

 イギリスのクール・ブリタニア政策を始めとして、欧州各国は文化施策として付加価値のある創造産業の育成、都市ブランディングに力を入れている。
(事例)バルセロナ、ビルバオ(グッゲンハイム美術館)、ナント(街中で4日間繰り広げられる世界最大の人形劇)

 アメリカではシアトルにマイクロソフト、スタバ、amazonといった業界のトップを行く企業が数多く生まれている。

 創造産業の育成が世界の都市にとっての目標となっており、韓国や中国、シンガポールは、国の重点施策として莫大なカネをつぎ込み、アニメ、ゲーム、デザインなどの産業を育成しようとしている。

 特に中国はこの分野に注力しており、上海は「10年間でアジアのデザインハブ都市、20年間で世界のデザインハブ都市を目指す」と掲げている。上海では、行政の支援のもと創造産業関連の企業が集まる地区が形成されており、企業が集積している。
(事例)シンセン文化産業市、上海創造産業クラスター

 しかし、日本は個人、企業など民間の努力に任せており、今は東アジアのなかでほんの少しリードできているが、このままではいずれ追い越されてしまうのではないか。日本も行政主導のもと、創造産業の育成・バックアップにもっと力を入れるべきではないか。

 結論として、福岡ではどのような創造産業を伸ばすべきか。
①既に実績のあるゲーム、デジタルコンテンツ産の育成、
②福岡の地域性、食文化、人柄を活かした都市型観光、文化観光
に力を入れるべきだろう。

 創造産業の中でも、コンテンツやデザインなどの流動性の高い産業と、その土地に根ざした歴史・風土・文化といった土着性の高い資源があり、これを融合させるカタチが望ましい。

講演を聴いて、行政がバックアップすることで、コンテンツ産業がどれほど伸びるのかという点が気になった。アニメやデザインは、コスプレ好きやオタクの人が一部で熱狂的に盛り上がっていたり、サブカル的な魅力や、時代や権力に迎合しないものが魅力的に見えることが多い気がする。行政が支援すぎると、カドが取れて迎合しすぎ、おもしろみが無くなってしまうのではないか…。

先日参加したシンポジウム@飯山市の中で、新しい都市観光の事例として、「工場萌えの日々」が紹介されていた(練馬区役所井上氏)。
「工場萌えの日々」は、とある工場・コンビナート愛好家のblogから始まり、それが注目を浴びることで、雑誌、写真集、DVDが発売され、現在ではツアーも組まれている。
この“新しい旅”は、マニアの人が開発したものである。行政がマネをしてツアーを組んだりもしているが、オタクの視点・マニア性が無くなり、嗜好がずれて面白みが消えているという内容だった。

コンテンツ産業にしろ、新しい都市観光にしろ、一部の人が楽しみを見いだして、勝手に楽しんでいたものがその他大勢の人にも伝染したものが多く、行政がPRして大々的なイベントを展開したから流行る・盛り上がるものなのか?
ただ、カネをつぎ込んで競争のプラットフォームをつくり、優れた脳みそが集まると、良い商品が生まれる可能性が高くなるということはあるんだろうけど。
あんまりお金をかけずに創造的な都市をつくるための大事な条件としては、住みたいと思う、働きたいと思う人が自然と集まってくる都市であることがあるんだろうけど、福岡市はその点は恵まれてるかも。


また、新しい産業に投資することの一方で、各地に残る地域性の濃い文化や、古い建物は日々消えていっている。地域に残る文化を残していくことは、比較的実行しやすく、リスクもなく、効果的なことだと思うし、消えゆく地域文化への支援策は、行政に望まれている大きなテーマだと思う。
(いま、その支援策づくりのお手伝いをしているが、行政がどこまで支援するのか、どんなルールをクリアすれば支援できるのかというラインを設定するのが、本当に難しい)

今日は直売所の経営計画についての打ち合わせ。
個人的に気になった議題は、「直売所にレストランをつくるかどうか」

直売所では、農家の委託を受けて作物を売る際に、
10~20%の手数料を取る。
ただ、それだけでは利益率が低いので、運営主体となる地元の人は、
利幅の多い加工品やレストランをやりたいと言っている。


内部では、「どれくらいの人が来るかわからない状況のなか、
オープン時からレストランをやることは大きな賭けになる」
という話をしている。
調理設備への初期投資が大きい上に、人件費も比較的高い、
また、厨房スタッフをどう確保するか、
客を集めることが出来るメニューをどう開発するかなど、課題は多い。


先日、小国への視察の途中に立ち寄った大山町の「木の花ガルテン」は、
直売所+レストランの成功事例として全国的に有名。
だが、ここもスタート時は直売所のみ。


木の花ガルテンは、平成2年の開設当初、
農産物直売所だけで年間売り上げ約7000万円だったのが、
平成14年に地元の旬の食材でつくる農家料理バイキングを開設したところ、
売り上げは約4億5千万円へと約6倍に増加。
来店客数も開設時の年間7万人から約50万人へと大幅に増加している。
実際料理を食べてみて、ほのぼのした田舎料理に癒されたし、美味しかった。


それ自体に集客力があるレストランを計画することは大前提。
まずは直売と加工で人を集め、売れ筋と客層を把握し、
客からレストランへのニーズが高まってから、
満を持してオープンといった、段階的な展開が無難なのでしょうか。


それと、農家料理バイキングは数が増えたので、
他のレストランとの差別化も大きなテーマの一つです。

昨年、福岡市の仕事で外国人投資家対象に、
「不動産投資ハンドブック」
を作成し、
今年、その英語・韓国語・中国語のバージョンが出来上がりました。
内容は、日本の不動産投資の流れ・用語解説・法規制・
福岡市の魅力紹介・投資優位性の説明などでしたが、
果たしてこれをどれだけ活用してもらえるでしょうか。


ところで今日の朝、「九州経済NOW」というテレビを見ていると、
福岡の不動産市場のことを「国内で一番勢いがある」と言っていました。
08年、09年の2カ年で、現在27~30棟のオフィスビル開発の
予定があるそうで、うちの会社近くの中洲にも、
基準階940㎡、12階建てのオフィスビルが3月にオープンします。


CBREの「オフィスマーケットリポート12月号」を見ると、
福岡市のオフィス空室率
は07年9月から12月の3か月で、
7.4%から、7.9%に、0.5ポイントも上昇しています。
天神の空室率
も、4.9%から5.1%に0.2ポイント上昇していますし、
こりゃちょっと気になる現象じゃないのか…。
(一方で、平均賃料は9460円/坪と、0.3ポイント増加)


福岡都市圏の人口は平成42年まで増加すると
予想されており(国立社会保障・人口問題研究所)、
国内では比較的成長が期待できる市場です。
そして、投資のリスク分散やカネ余りで外国資本が投入され、
現在のような建設ラッシュが起きていますが、
先日、不動産鑑定士の方は「いくらなんでも供給過多なんじゃねーか」
とおっしゃっていました。


外資のカネが入って開発が促進されるというのは、時代の流れもあるし、
それだけ福岡に魅力があるという証拠の一つなんだろうとは思いますが、
あまりに価格設定が高くなりすぎるせいで、
若い人が天神に開店しにくくなる、
外資が福岡の風土を無視した開発を行うといった弊害もあります。


あと、もっと身近なところでは、旧岩田屋本館を改装し、
パルコが入ることで基本合意したらしいけど、個人的にはちょっと残念。
閉店ガラガラ状態よりは、開店しているほうがよっぽどましですが、
熊本に住んでいるときに、パルコ熊本店に入ったことはほとんどなかったし、
男にはあんまり縁がない店だというイメージ。


そしてなにしろ「改装する」ってのが夢がないねー(完全に人ごとですが)。
岩田屋周辺の天神2丁目で再開発構想があるという記事が新聞にのってたし、
市としても周辺一帯を再開発(民間主導)したかったようなのですが、
その構想も一時ストップ。


まだパルコになるかどうかも決定ではないようですが、
どうせ百貨店系が入るなら、メンズの品揃えがいい店が良かったなぁ。

今日は東京出張でした。
永田町の都道府県会館という、たいそう立派な建物に夕方5時半に集合
佐賀県出身で東京でご活躍の方々に、県が現在作成中の「ICTビジョン」
を見ていただき、意見をお聞きしてきました。


内容については、「網羅的で、佐賀らしさが足りない」とのご指摘。
もう“ふたひねり”くらいせねば。
一次産業、特に農業の情報化の可能性について、勉強する必要ありです。


あとは、自治体で共同のプラットフォームをつくれないかという話が出ていました。
行政サービスに求められていることは、住民の個人情報や税金の管理、
災害時の対応といった具合に、どこでも共通のものがたっくさんある。
どこの自治体でも似たりよったりのシステムを、何億もかけて構築するのは
無駄
なんじゃないかと。
だったら、システムをオープンにして、共同で開発して使用できないか…。
それが実現すれば、かなりの税金が浮きますねぇ。


ヒアリングに来られたメンバーは、国をはじめとして、通信企業、ソフト開発、
外資コンサルなど、そうそうたるメンバーだったのですが、
皆さん佐賀西高校出身の方々で、同窓会状態でした。
佐賀西おそるべし。

年度末が近づいてきたため、慌ただしい毎日を送っております。
この時期、「今年も無事に年度末を迎えられるか…」という不安が胸をよぎりますが、
絶対終わらせると強く思いこんで、頑張ってるところです。


今日は佐賀県庁で「2010年代のICTビジョン」についての打ち合わせ。
「ICT技術が進歩した2010年代に、どんな暮らしが実現されているのか、
そのために今何をすべきなのか」といったテーマであーでもない、こーでもない…
と考えているのです。
「遠隔医療が実現されているので、家にいながら高度な医療を受けられますよ」
「行政手続きは24時間オンラインで大丈夫」
「テレワークが普及しているので、家で仕事を済ませましょう」 とか。
言うは易く行うは難し。


ところで、今日初めて聞いたのですが、佐賀県の古川知事が2月から開催される、
国の「ICT成長力懇談会」のメンバーに地方自治体代表で選ばれるらしい!
大学の先生方や著名評論家達の豪華メンバーの中で、地方自治体代表として
佐賀県が選ばれるってことは、スゴイことだと思うな。
現在作成中のICTビジョンが表舞台に出るってことなので、
求められる完成度が一気に高くなり、この業務が一気に慌ただしくなってきました。


最近の行政の情報化計画づくりの流行は、
シナリオ・物語
をつくることのようです。
どうしても横文字や専門用語が多く、分かりにくくなりがちなので、
小説タッチの文章にしてしまおうということのようです。
ということで、僕も最近、シナリオを書いています。
「陽菜が起きてみると、今日もお母さんが美味しい朝ご飯を用意してくれています。
朝ご飯の食材に貼り付けられたICタグをリモコンで読み取ると、
生産地の情報や流通経路が表示されました…」みたいな~。
シナリオなんて、初めて書いたのですが、
改めて文才が無いことを痛感しております。


ところで、佐賀県川島CIOに紹介してもらったのが、
「スローなユビキタスライフ」という本。
「情報化が進むと、どんな世の中になるのか」について、
とても分かりやすい文章で、小説っぽく書かれています。
でもねぇ。こんな風に文章を書くってのは、ちょっと厳しい…。

福岡市近郊では、福岡都市圏をターゲットにした農産物直売所が次々に
オープンしています。
最近、北部九州の2つの農産物直売所(道の駅)設置に向けた事業計画の
検討をしているので、各地域別の直売所事情を備忘録的に記入。


筑紫平野一帯では、昨年4月に朝倉市に「三軒水車の里あさくら」がオープン、
そして今年5月に久留米市、来年4月には筑前町にも新しく大型の直売施設が
オープンする予定。
「三軒水車の里あさくら」は、9か月で約38万人がレジを通過し、売上高は4億2千万円。
そこから約4㎞離れた、同じ国道386号沿いには「道の駅原鶴」があるのですが、
売り上げは1割弱で済んだそうです(1月22日朝日新聞朝刊)。
「道の駅原鶴」は、直売所とパン屋を合わせて年間65万人がレジを通過、売上高は
9億5千万円であり、この二つで約15億を売り上げがあるそうです。


福岡市の西部では、07年4月、前原市波多江に西日本最大級(1300㎡)の
「伊都菜彩」
がオープン。伊都菜彩は、魚や肉、野菜、お総菜、手工芸品、
花、スイーツなど、手広い品揃えと400台収容の駐車場を持っており、
直売所のデパートといった陣容。
年間のレジ通過客は85万人(見込み)で、20億円には届かずとも、
17~18億円を売り上げるのではないかという話。
オープン当初は、「11~15億を目標」ということだったので、直売所乱立地帯
にあるにもかかわらず、目標を上回る売り上げです。


佐賀市北部にも、平成22年に2軒の直売所がオープンする予定。
佐賀市北部には、直径10㎞ほどのエリアの中に、年間20万人以上がレジを
通過する施設が3店舗(唐津市七山の「鳴神の庄」、佐賀市三瀬村の
「マッちゃん」
、佐賀市大和町の「道の駅大和そよかぜ館」)。
それぞれ3億5千万以上の売り上げがあります(そよかぜ館は約5億円)。


繁盛している直売所の客単価を見ると、前原市、二丈町あたりの、魚を売っている
施設では1600円~2100円。
佐賀市北部の、山の幸をメインで取り扱う施設は、客単価が約1300円でした。
このラインが、新たな店舗計画の売り上げ目標となるのでしょうか??

23日の夜は、佐賀市富士支所で、コンプライアンスについての講演会に参加。
講師は、立教大学観光学部の村上教授と、弁護士の長戸和光先生。

佐賀市は、平成17年に三瀬村・富士町・大和町・諸富町・久保田町・
東与賀町・川副町と広域に合併しており、平成18年につくられた
「佐賀市観光振興戦略プラン」
のもと、様々な計画が実行に移されています。


●温泉地のもてなしを考える●

佐賀市富士町には、古湯温泉・熊の川温泉という二つの温泉があります。
プランの中で挙がった、今後実行すべき計画の一つに、
「もてなしの環境づくり」というテーマがあり、
まずは日常的にお客さんをもてなしている温泉地におけるもてなしの底上げを
考えていこうということで、この講演が企画されました。

佐賀市の計画の特徴は、
地元の人が考えたプランを、地元の人が楽しみながら実行している

という点。
そのプランづくりの中心人物が、講師の村上先生。
立て板に水の語り口で博覧強記、見事な司会っぷりに加え、お茶目?
でとても魅力のある先生です。
当社は、この観光戦略づくりと、その実行のコンサルタントをさせて頂いております。
コンサルといっても、僕的には、地元の方々や先生がた、行政のみなさんと、
一緒に考え、一緒に行動し、共働しているという感じです。


●都市・地域としての対応を考える●

講演会では、まず村上先生から、観光産業におけるコンプライアンス遵守違反
に関する事例と、今後の観光地の方向性についてのお話を聞いた後、
第二部として長戸先生に、法律的にみてどのような行為がコンプライアンス
に違反するのか、一般的に企業はどのような点に注意すべきなのかといった
お話を聞きました。

質疑応答の時間に、
「法令遵守の他、個人や企業の社会貢献が求められる風潮の中、
“都市・地域として社会貢献に取り組んでいる事例”がありますか」
といった質問をしたところ、「火災防止に取り組んでいるところはあるが、
事例はほとんどなく、これから考えていくこと」というお答えを頂きました。
まだまだ研究の余地があるテーマだと実感。


●古湯・熊の川温泉では、温泉地づくりの様々な取り組みが行われている●

冒頭、村上先生から、このようなテーマの講演会は、全国でも初めてではないか
というお話があったが、佐賀市の古湯温泉・熊の川温泉では、このような
先進的な取り組みが行われたり、街なみづくりや新しい食材の開発など、
様々な面からの温泉地づくりの気運が盛り上がってきています。

大和屋の若旦那曰く、
「行政と一緒に頑張ってる現状は、とても恵まれている。
このチャンスを逃さないように、追い風をモノにしないといけない。
ただ、補助金に頼ると、勢いが続かない。
結局は自分たちがどこまで頑張れるかにかかっている」。
新しい取り組みが各地で行われ、若旦那のようなリーダー達が頑張っている
古湯温泉に、みなさんも是非一度足を運んでみてください。

●講演・質疑から一部抜粋●
・法令・モラルを守っていけるように、研究会をつくって点検する場をつくる。
・事故・不祥事が起きたときの、地域としての対応を検討しておく。
 またその際、企業と共に活動・謝罪する観光地組織をつくる
 (観光協会の役目か?)。
・大企業のコンプライアンスと、小さな旅館のコンプライアンスは違う。
・小さな旅館では、たとえ法令に違反することでも、心のこもった
 もてなしが必要(お客さんの部屋で、一緒に料理をつくる等)。
・単にルールやモラルを守るだけではなく、ケースバイケースの対応が必要。
・安全策を取れば取るほど、面白がなくなるという一面もあり、このバランスが
 非常に難しいところ。
・顧客・消費者以外に、従業員に対するコンプライアンス(法廷労働時間の
 遵守・セクハラ・パワハラの抑制措置)を守ること、個人情報を守ること
 などへの意識も問われている。
・客からの信用、従業員のモチベーションこそが利益につながっていき、
 企業が社会責任を果たすことこそが利益につながるという、“経営者の意識
 改革”が必要。
・経営者だけでなく、従業員を含めた組織全体で意識を共有し、教育・研修
 を行うことが大事。

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福岡市天神が、全国に先駆けて、無料インターネット空間になります!
今までは、ごくわずかの店舗でしかWiFi対応端末のメリットを感じることができませんでしたが、これからはまちなかでも使えます!

いまの九州のIT業界は、大手企業の下請けが多いそうです。
ですが、これからは天神のオススメ店舗情報などの独自コンテンツを利用したり、情報を取りに行かずとも、Push型で端末に入ってきたり、観光客が携帯端末をナビがわりに使えたりと、新しいサービスが続々出てくるでしょう。
福岡市が地域情報化サービスを実験するフィールドとして注目を浴びるでしょうし、生活者としても、新しい技術を利用できるので、嬉しい限りです。


08/01/10西日本新聞より
無線LAN200台開放へ 天神丸ごとネット空間 地域、観光情報を配信

 全国の産学官約100社・団体が参加する情報技術(IT)ビジネスの交流組織「ルビービジネスコモンズ」(福岡市、RBC)と福岡県、福岡市は9日、同市・天神一帯にケーブルを使わずにデータ通信ができる無線LAN(構内情報通信網)を整備し、2月をめどに無料開放する計画を明らかにした。一帯ではパソコンだけでなく、携帯ゲーム機やiPod(アイポッド)など、無線通信機能を持つ携帯端末からインターネットに自由に接続し、楽曲や地域情報を取得できるようになる。

 無線LANを無料使用できる地域の創出は昨年末から米マンハッタンで実験が始まっており、国内では初めて。天神の計画には、九州大やiPodを開発した米アップル社も技術協力に加わる。

 計画では、無線LANの中継機器を世界各地に設置しているスペイン企業の日本法人「フォン・ジャパン」が、機器を天神、大名地区の事業所や店舗に200台提供し、どこからでもネットに接続できる環境を整備する。

 その上で楽天などIT系大手企業も参加するRBCや九大大学院システム情報科学府のチームなどが、一帯からネットに接続した人が閲覧できる専用コンテンツ(情報内容)を制作。地図や店舗、イベント情報、地域ニュースなどを提供する。

 また福岡県と福岡市は、外国人ビジネスマンや観光客の利便性を高めるため、多言語で閲覧できるきめ細かな観光情報を配信する予定。

 福岡県高度情報政策課は「携帯電話のネット接続には通信料がかかるが天神一帯では世界中で普及しているiPodやニンテンドーDSから、あらゆるネット情報を無料で取得できるようになる。天神の魅力や利便性を高める情報発信をしていきたい」としている。

最近、仕事で5年ぶりに地理情報システム(GIS:geographic information system)を使った仕事をしています。

今日、環境GIS研究所の荒屋さんに教えを請いに、百道のソフトリサーチパークに行ってきました。
この施設は、ベンチャー企業支援のために福岡市や、企業等が出資した施設で、九州の若手ベンチャーが群雄割拠といった感じで入居しています。
荒屋さんも、自治体向けGISシステムの開発でご活躍しておられます。

僕がいま使ってるのはESRI社のArcGIS9.2。
学生時代にArcView8.3を使ってましたが、そのころから比べると隔世の感があり、よちよち歩きからの再スタートです(泣)。

佐賀県は、「ICT全国最先端県庁の実現」をキャッチフレーズに掲げ、情報化を進めています。

ん?ICT全国最先端?佐賀県が?という感じに聞こえるかも知れませんが、佐賀県は本気です。

世界銀行から川島宏一氏をCIO(最高情報統括官)に迎え、県内外のメディア・通信・ソフト・金融・教育・医療・農業などの幅広い分野の方々からなる「高度情報化推進協議会」というチームを編成して、業務の効率化、インフラの整備、新たなサービスの開発を推し進めています。
そして今年9月には、韓国から元サムスンのCIO補佐官を採用し、さらにスピードアップを図っています。

そして佐賀県は、2010年代にICTを利用して県内でどんな暮らしが実現しているのか、これから佐賀県は何を目指すのか、という理想像を共有するために「さがICT利活用ビジョン」を現在作成中です。
このビジョン作成については、当社がコンサルとしてお手伝いしており、いま一番おもしろいプロジェクトの一つです。

以下、川島CIOのインタビューです。
佐賀県は本気です。

ソフトバンク ビジネス+IT編集部HP
経営革新を支える日本のCIO(前編)

経営革新を支える日本のCIO(後編)

「2011年、九州新幹線が開通すると、熊本の経済力は福岡に吸い取られる。熊本市は、コンパクトシティを目指し、大都市にない暮らしを提案する都市になるべきだ。」という経済アナリスト森永卓郎氏のコラムを読んで、熊本市の都市計画について感じたこと。

まず、行政の大きな方向性はどちらかというと拡大志向だという気がします。
熊本市(人口67万人)としては、何とか政令指定都市(70万人)を目指そうと合併に動いている最中ですが、周辺町村からは、熊本市に吸収されてしまうというイメージを持たれているようです。
そして、昨年度中心市街地活性化計画を策定し、これに関連して、駅前や交通センター、辛島公園周辺の再開発も進められていますが、ハード整備と企業誘致は効果があまり期待できないと思います。
福岡から熊本まで35分で行けるので、熊本に支店を出す意味も薄れるでしょうし。
ガンガン再開発をして、新しいビルをつくり、オフィスを準備するというのは、やはりちょっと違うかなと。
ちなみにこの中心市街地活性化計画(東京の銀行系総研が作成)は、地元の専門家からは、「絵に描いたモチで意味がない」という手厳しい見方もあります。

観光面で見ると、現在でも既に熊本は通過型の観光地となっているようです。
熊本城には例年約80万人の観光客が訪れていますが、熊本城と阿蘇山に団体バスで乗り付け、街中で飲食・買い物をせずに次のスポットに行ってしまうため、市内への経済波及が少ないという声をよく聞きます。

僕が個人的に熊本で面白いと思うのは、戦災で焼け残った古い街なみと、それを活かそうとする地元の人の様々な取り組みです。
特に戦災で焼け残った地区は、加藤清正がつくった熊本城の城下町の、昔ながらの街なみが残っています。
中でも、上の裏商店街や、新町、古町などの昭和的な情緒、子飼商店街という昔ながらの商店街なんかはオススメのスポットです。
そして、こういった街なみを残そう、活かそうと動いている市民、団体が熊本市にはたくさんおられます。
また、大学の都市計画研究室が街中に出張してきて、市民と一緒になってまちづくりを考える取り組みが展開されています。
個人的には、こういった地道な活動を市ができるだけ応援して、「市民がつくる熊本市」といった方向性を長い時間かけて進めていってほしいと思います。

新町・古町といった地区は、熊本駅と中心市街地を結ぶエリアに位置しているため、このエリアに人を呼び込むことで、市街地への滞在時間も増え、消費も拡大するのでは…。

来年度、熊本市の都市計画の基本方針となる、都市計画マスタープランが策定される予定ですが、この結果が楽しみなところです。

背景となる動きについてのメモ。
●行政の都市計画関連の動き

・熊本市は広域合併によって政令指定都市となることを目指している。
・熊本市の都市計画の基本的な考え方となる計画(都市計画マスタープラン)を来年度作成。
・熊本都市圏の都市計画区域マスタープランは、良い意味でコンパクトシティ、悪い言い方をすると、熊本市中心の考え方。
 →市街化区域(開発できる区域)は基本的に、熊本市と隣接した部分のみ。
・中心市街地活性化計画を昨年度策定。
 →中心市街地とは、熊本駅から中心市街地までのエリア

●ハード整備
・熊本駅周辺の再開発
→鉄道を高架に
→県・市の合同庁舎を熊本駅周辺に移転
→駅ビル新設
・中心市街地再開発計画
→熊本交通センター、辛島公園周辺
・本丸御殿復元
→総工費70億円

●ソフト面の活動
・熊本城築城400年祭
・熊本ルネサンス http://www.kumamoto-runesansu.jp/index.html
→熊本の魅力を行政・民間が一緒になって掘り起こし、PR、イベント等展開
・まちなか工房
→熊本大学の都市計画研究室(両角研究室)が中心市街地に出張研究室を設置し、まちづくりを産官学一体で考える取り組み
→全国都市再生まちづくり会議2006「まちづくり大賞」受賞
・熊本まちなみトラスト
→駅と市街地を結ぶエリアで、地元に根ざした活動(個店誘致、イベント等)を精力的に展開

ちょっと前の話になりますが、11月2日、「日経地域情報化大賞」が発表されました。
大賞は、島根県松江市の「Ruby City MATSUEプロジェクト」
以下、日経の記事(12月7日特集「高まる地域の『情報力』」)より抜粋

「松江で育てる先端ソフト」(松江市産業経済部参事 田中哲也氏のコメント)

 日本で生まれたコンピューターのプログラム言語「Ruby」が世界の注目を集めている。松江市は2006年7月、この言語を使える人材の育成や研究開発を目的に交流施設「松江オープンソースラボ」を開設した。産官学が連携したこの取り組みが評価されたのは嬉しい。
 松江市は人口二十万の城下町。ご多分に漏れず地域振興に苦しむ中で白羽の矢を立てたのが、市内在住のまつもとゆきひろ市が発案したルビーだった。
市には百億円などの補助金で企業を誘致する余力はない。その点、人々が自発的に集まって智恵を出し合い、ソフトを進化させていく「オープン・ソース・ソフトウェア(OSS)」という発想にまず引かれた。代表例がリナックスであり、我々もルビーに関心を持つ人が産官学を問わずに参加できる受け皿づくりから始めた。
 まつもと氏が地元からいなくなったらどうするのかという質問も受けるが、心配は無用だ。これからもまつもと氏の助言は必要だが、ルビーの開発プロジェクトはすでに第二、第三のステージに入っている。
 有志が集まって議論を戦わせる段階を越え、活動は各地に波及している。福岡市ではRubyビジネス・コモンズという組織が市内の天神地域をカバーする地域情報システムの開発を始めた。東京都三鷹市もルビーの技術者養成に着手。松江市ではまつもと氏が理事長の普及団体ができ、活動の和が広がっている。
↑どこのネットにも載ってなかったので、自分で打ち込みました(まずいかな?)。


そして、梅田望夫氏の最近の著作より抜粋
「ウェブ時代をゆく」P60

「数々の国家プロジェクト、複数の大企業が組織を挙げて莫大な資金を投じたプロジェクトが成し遂げられなかった「日本初世界のソフトウェア」という快挙は、まつもと一人のリーダーシップと、インターネット上で「Ruby」の面白さに魅了された世界のハッカーたちとの共同作業によって成し遂げられた。」

一人でも地域からリーダーが生まれれば、その“志向性”に惹きつけられた世界中の力を結集して、スゴイモノを作り上げることができる時代なんですね。
そして、ウェブ上だけでなく、実際の都市(例えば松江市)にも人が集まってきて、新しい産業が生まれています。

梅田望夫氏とまつもとゆきひろ氏の対談(前編)
梅田望夫氏とまつもとゆきひろ氏の対談(後編)

2007/12/10 西日本新聞夕刊より

人工島に大型物流施設 イヌイ建物2010年春稼働 1000人規模の雇用計画
 

倉庫業のイヌイ建物(東京)は10日、福岡市東区の人工島(アイランドシティ)西側の「みなとづくりエリア」市一工区で分譲中の土地4・4ヘクタールを購入することを決め、大型総合物流施設を建設する方針を固めた。施設業務として、今後増加が見込まれる自動車など製造輸入部品の仕分け、保管などを柱に想定。中国などアジア諸国から人工島が近く周辺に陸海空の物流拠点があることや、九州内で工場立地が盛んなことが進出理由とみられる。稼働は2010年春で、500‐1000人の地元雇用を計画。福岡市は同日午後、正式発表する。

 人工島ではこれまで最大の企業立地。投資額は土地が約56億円、建物が約150億円。福岡市は議会の議決を経て来年3月に土地を引き渡し、その後、同社は施設建設の準備に入る。施設は6階建てで延べ床面積は15万平方メートルを計画しており、全国の港湾物流施設では最大規模となる。

 同社は、進出手法として、土地などの所有権の移転が伴う不動産の証券化を行う。福岡市の立地交付金制度は、所有権者を対象としており、不動産の証券化など最近の開発手法に適しておらず、同市は制度変更を検討している。

 同市はこれまで、JR貨物福岡ターミナル、香椎パークポート、福岡空港と主要拠点が人工島の半径10キロ以内に近接している利点を使い、各地から持ち込んだ荷物の保管、積み替えなど総合物流を効率的に行う施設設置を企業に提案してきた。

 人工島整備事業については、同市のプロジェクトチームが今後の方向性についての最終報告書を4日に公表。みなとづくりエリアは積極開発する方針を示していた。

 同社は、東証2部上場。年間売上高は約143億円(06年度)。主要事業は倉庫業で、東京都心での不動産開発も手掛けている。


日本最大級だそうですね。
1㎡あたり約13万円で購入したんだと…。

(一部、機関誌に掲載する記事の転記)
最近、友人が東京から戻ってきたり、また地元に戻ってきたいという声を聞き、「ひょっとしたら、昔に比べて“同世代の若者”は地元に帰ってきているのではないか」という仮説を持ちました。
そこで、団塊の世代(S21~25年生まれ)、僕と同世代(S51~55年生まれ)の2つの年代について、10~14歳時点の人口が、5年後、10年後~現在までにどのように変化しているのか、人口の定着を見てみました。
資料:昭和30年~平成17年国勢調査(総務省)

7-12-13.jpg   7-12-14.jpg 7-12-15.jpg結果。
九州から東京への人口の流出は止まりません。
福岡県については、福岡の大学に通学するために一時若者が増加する動きもありますが、大学卒業後は減少していきます。

東京都、九州の人口の定着を見ると、昭和21~25年生まれの「東京の団塊の世代」について、10~14歳時点の人口が約90万人でしたが、この世代が20~24歳になった時点では約170万人と、約2倍に増加しています。
対して、昭和51~55年生まれの世代では、約1.5倍の増加となっています。

九州への定着を見ると、団塊の世代では、10~14歳時点の団塊の世代は約160万人であったのが、20~24歳になったときには約90万人と、6割減少しています。また、昭和51~55年生まれの世代では8割減少しています。

人口の東京への集中は若干ペースが鈍化していますが、依然継続しているようです。
また、団塊の世代では、大学卒業後に九州に戻る動きも見られましたが、現在25~29歳の人口は依然減少傾向にあります。

日本経済はバブル崩壊後の不況から回復し、今後の団塊の世代の退職による労働力不足が不安視されるなか、現在25~29歳の働き盛りの若者が今後どこまで九州に戻ってくるのでしょうか。
福岡県についても、大学卒業後は若者が福岡県から出て行っており、25~29歳の人口は、10~14歳時点での人口の95%となっています。

地元に戻る若者への就労支援・雇用の場の確保や、ITを活用した遠隔地就労など、地方でも働くことができるようなワークスタイルが確立されない限り、この傾向はしばらく続きそうです。

確かに、最近横浜に行った友人や、東京に行く友人もいます。
地元の事が好きだという人は多いけれど、やはり戻ってくるよりも出て行ってしまう方が多いんでしょうね。
みなさん、福岡で盃空けて待ってますよ。

地域文化が生き残るケースと、途絶えてしまうケース、その両者には、どのような違いがあり、保存・活用していくためにはどのような課題があるのか、事例を研究している。
今回は八女市にある「丸林本家」について、「八女福島丸林本家保存機構」の北島力さんにお話を伺った。
八女市八女福島地区は、古い建物や歴史的に価値の高い建物が建ち並ぶ地区で、2002年に国から「重要伝統的建造物群保存地区」(=「重伝建地区」)にも指定されている。
八女福島地区にある丸林本家は明治時代の建物で、南棟(明治初期築)、中棟(明治中期築)、北棟(明治後期築)の3軒の建物(付属屋は除く)からなる。
建物のオーナーは市外に住んでおり、約20年前から空き家になっていたが、市民有志による「八女福島丸林本家保存機構」が所有者より管理委託を受け、「伝統的建造物群保存修理事業」(=「伝建事業」)の補助を受けるとともに資金募集等に取組み、2006~2007年にかけて修理を行った。

●保存機構メンバーが中心となって補修費用を調達
このケースは、丸林本家の所有者との管理委託契約の締結という全国でも珍しい取り組みを行っているので紹介したい。
まず、2006年4月に、建物が老朽化し、朽ちそうだった丸林本家を何とか再生したいと、市民有志が集まり、任意団体の八女福島丸林本家保存機構が発足した。
同保存機構の建築士に頼んで補修費の見積もりをしてもらったところ、資金が約7,000万円必要ということだった。
NPO法人であれば、銀行から2,000万円程の借金ができるのだが、任意団体なので、銀行からの貸し付けを受けることもできない。
また、国の重要文化財になると、行政からの補助が建物の外観や構造等修理にかかる工事費の8割の補助金(八女市の場合は伝建地区内の市指定の文化財も8割の補助。修理工事費の中で、通常の場合、建物の内部に係る費用―電気や水回り等の設備及び改修、建具類等―は補助の対象から外される。)を得られるが、この建物は未指定であった。
結局、八女市から伝建事業で2,880万円(補助の限度額があり、1棟960万円×3棟)の補助を受けられることになったが、残り約4,000万円の自己資金を集めなければならない状況になった。
そこで、自己資金を捻出するために、同保存機構は八女福島の町並みの町家群の保存に理解のある市民や友人・知人などの有志に呼びかけ会員を募った。
会員には一口30万円の借入金、一般には一口1万円の協賛金を呼びかけ、なんとか20人弱の協力者を得、目標の資金が集まったそうだ。
そうして、2007年、無事補修工事が完了し、現在、改修前から希望のあった会員が、町家カフェ・木工ギャラリー兼住宅・専用住宅として活用中である。(補修工事は、改修前から希望のあった会員に設計段階から要望を聞き、その要望に十分配慮された設計内容で行われている。)
建物の維持管理は、所有者と結んでいる前述の管理委託契約(期間は25年間、管理委託料は無料、固定資産税は同保存機構が負担)に基づき同保存機構が行っており、建物利用者からの毎月の利用収入によって、長期になるが年に1回借入金を返済しているとのことである。
なお、伝建地区の場合、伝統的建造物は保存に同意をすれば固定資産税は免除される。

●景観・建造物の保全の特異な例
丸林本家のケースは、建物の補修から活用に至るまでのプロセス及びその後の維持管理について、任意団体が、オーナーと管理委託契約を行い実行するという、非常に珍しいケースである。
重伝建地区内にある建物は行政からの補助が出るとしても、自己負担の資金は必要なわけで、3棟分とはいえ補修費の内の4,000万円という自己資金を集めるのは並大抵のことではない。
モチベーションは、文化遺産を後世に伝え残したいという使命感や価値のある景観と建物を守りたいという思い。
建物のオーナーでなくても、地区の文化遺産や価値のある景観や建物を守りたいという強い使命感や思い入れのある人がいれば、何らかのアクションが動きだし、周囲の人の共感を得ながら活動が広がっていくという好例だと思う。

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