農水畜産物を売るだけじゃない

アタマの整理のため、直売所について、とりあえずひとまとめ。
以前の記事
との重複あり。

●現状
 一昔前の直売所は、「無人のテントで、市場に出せなかったB級の農産物を安く売っている」というイメージでしたが、現在では、物販に加えてレストランや加工所、観光情報コーナー等を併設した複合施設に進化するとともに、生産者の方々が自分の名前を出して自慢できるような、新鮮で、安全・安心の農水畜産物を売っており、生産者所得向上だけでなく、地域コミュニティの活性化、観光振興の視点からも、地域における直売所の重要性が年々高まっています。

 福岡県内の直売所数をみると、平成15年の259件をピークに減少してきており、平成18年では230件となっています。ただし、売り上げは平成10年の57億円から、平成18年では200億円と、3倍以上増加しており、一店舗当たりの売り上げが増加しています。

 近年では、計画段階から数億円の売り上げを期待する大規模店が続々とオープンしており、これらの大規模店と競合する中小規模の直売所は淘汰されたり、生産者の高齢化のため、消費者が求めるだけの商品を確保できなくなり、廃業するところも出てきていると聞きます。


●不安材料

 直売所を訪れる消費者は単に安い商品を求めてくる方々だけでなく、地産地消で、出所が見える安全な食材やその地域ならではの食文化や自然環境、生産者の方々との交流といったものをトータルで楽しみに来ている方も多いと考えられます。

 来客数が増え、ニーズに応えるために大規模化するあまり、出荷物のレベルを一定に保つことが難しくなったり、地域外からも商品を入荷し地域性が薄れる、生産者と消費者の距離が遠くなってしまうといったことがあると、消費者の期待に答えることが難しくなってしまい、結果として支持を得られなくなる可能性もあります。

 平成19年度の食料・農業・農村白書においても、直売所利用者の8割が地産地消を認知し、6割が実践しているという調査結果が出ており、単に農水産物の安定確保を目的とした流通ルート拡大や売り上げ増加のための規模拡大が、果たして消費者の理解を得ることができるかどうかは疑問です。

●生き残るために
 北部九州の直売所では、加工品や鮮魚に力を入れ、品揃えの特色を出して差別化するところ、魚の調理や精米など、新たなサービスを取り入れるところ、携帯電話を使った販売状況把握、在庫管理システムなど、新たな技術の導入を図るところも出てきています。

 しかし、地元産品を使った、地域性のある商品やサービスの提供と、直売所が地域と共生、貢献していくことが、地域住民からも、消費者からも支持される、持続可能な直売所づくりのためにもっとも重要なことなのではないかと思います。


●今後の課題

 生産者の高齢化や周辺の直売所増加により、出荷する生産者の協力を得ることが難しくなってきているところもあり、農産物安定供給のための取りくみや、地域の後継者育成、都市住民との交流等による地域農業の多様な担い手の確保が求められています。

 農産物の安定確保や地域貢献のための特徴的な取り組みをしている直売所として、二丈町の福ふくの里、佐賀市大和町の大和そよかぜ館などがあり、「福ふくの里」では、ハウス野菜確保のため、生産者にハウス建設の補助を行っています。また、そよかぜ館では、耕作放棄地を利用した体験農園の開催などの取り組みを進めています。

 直売所は生産者をはじめとする地域の方々の理解・協力無しには成り立ち得ない業態ですので、地域の学校や病院との提携や食育、耕作放棄地の利用、後継者の育成といったかたちで直売所が地域に貢献し、地元の方々への支持・共感を得るための活動が持続可能な直売所づくりのために重要だと思われます。

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