第1回観光勉強会を開催しました

4月9日、第1回観光勉強会を開催しました。
 講師は立教大学観光学部村上和夫教授で、参加者は自治体職員やメディア関係者等17名でした。会場の都合上、狭い会議室なので定員は15名だったのですが、すし詰め状態?で熱気のある勉強会になりました。

 村上教授は観光客の求めている文化的な価値や、観光事業のイノベーション、情報発信やブランディングについて研究されており、第1回のテーマは、『いまの「観光」をどのように理解したらよいか』。ということで、「消費者が観光を通じて買いたいものは何なのか」、「パターン化した観光ビジネスの功罪と、それをどのように脱却するか」といった内容を話して頂きました。

以下、お話の抜粋です。


 消費者が観光を通じて買いたいものは、「自分の暮らしとはまったく違った非日常的なもの」というよりも、「自分の日常とは違った観光地の異日常」であり、日常生活において「持っているか(経験したか)」「持っていないか(経験していないか)」を競う体験を消費させる。

 例えば九州各地で開催されているひなまつりについて、お雛様はどこの家庭にでもあるもので、珍しいものではない。自分の家のお雛様と、観光地のひなまつりの間にある差異は「お雛様がたくさん飾ってある」ということであり、観光客はその差異を買っている。

 また、人は直売施設で「新鮮で美味しいものを買ったという経験や満足感」に対して対価を支払っており、商店街・朝市観光では「自分の暮らしとは異なる現地の人の暮らしに触れる体験」を買っている。

 観光地側は、「観光地の普段の暮らし」をどう見せ、「観光客の普段の暮らし」との差異をどう伝えていくかがポイントになる。

 商品やサービスがパターン化するメリットとして、「明確な単位を表現できる」「明確な価値(価格)を表現できる」「ブランド構築の第一歩」といったことが挙げられる

 デメリットとしては、「わかりやすい・まねされやすい」「市場規模が大きくなり、競争になる」「流行がおこり、償却期間が短くなる」などがある。

 観光の専門用語に「モジュール」という言葉があり、例えばツアーの中の各行程、食事のメニューのように、入れ替え可能で部品のような共通性を持つ要素のことを「モジュール」という。フレームのもとで、旅程や楽しみ方などのモジュールを確定する。

 観光がパターン化した場合、組み合わせの相性や効果を考えながら、既存のフレームのもとでモジュールを入れ替え、観光の枠組みを再構成することで、コモディティ化から脱却できる可能性がある。

 村上先生のお話の中であった「観光地の日常を見せる」ということや、「既存の枠組みのもとでモジュールを入れ替える」というのは、観光地側にとって比較的実現しやすく、コストもかからず、取り組みやすいため、これからの観光計画にとって非常に大事なポイントになるのではないかという気がしました。ただ、そこで問われるのは観光地の日常の楽しみ方やモジュールの組み合わせの伝え方・センスをどう磨くかということだと思います。それについて先生は、「女性誌や専門誌、少し高級な生活誌の記事と広告の組み合わせのセンスやパターンから学んでいる」という回答があった。少し恥ずかしいけれども、女性誌売り場にも足を運ぶか…。

 観光は、都市・地域の魅力や商品を評価し、創り出し、情報発信して人を呼び、楽しんでもらうという幅広い活動に関わり、その効果が波及する産業は飲食・宿泊・交通・サービス・製造・農林漁業などなど相当に広いため、非常に学びがいのある分野だと思います。
 また、国交省が「観光圏」という言葉を打ち出し、九州や東北では圏域をまたいだ観光客誘致・宣伝が行われているなど、広域観光の重要性が高まっています。この勉強会が、自治体職員のネットワークづくりの場になればいいなと思っています。また、次回は観光地の革新の担い手・組織づくりについてお話していただく予定ですので、事業者の方々にもお声掛けをしたいと思っています。

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