佐賀城下ひなまつり

 佐賀に春の訪れを告げるイベントの「佐賀城下ひなまつり」に今年も行ってきた。今年のひなまつりの目的は、新しい観光キャラクターの「俵マイちゃん」を見に行くことと、おにぎりカフェでの食事。

●新しい佐賀観光のキャラクター「マイちゃん」
 マイちゃんは、ソフトボールが得意で、男子顔負けに元気な小学校5年生の女の子。トレーニングのしすぎで太くなりすぎた太ももが悩み。
 これらのキャラクターは、佐賀市の観光振興戦略プラン策定委員である金子美代子さんがコンセプトや物語づくり、デザイン等のコーディネートを行い、約1年間かけて作成したもの。デザインは、昨年夏の甲子園における劇的な優勝が記憶に新しい佐賀北高校の生徒が原案をつくり、佐賀市の元気さ、明るさを伝えていくキャラクターとして作成された。ひなまつりのメイン会場の一つでもある旧古賀銀行の一画に市内の人形作家の先生が製作した人形を設置し、晴れてお披露目となった。人形にすると、絵とはまたひと味違った柔らかさ素朴さが前面に出て、さらに親しみやすくなったように感じる。

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中央がマイちゃん。

左は同級生のみちる君。

右はおじいちゃんの徳治さん。


 

 

 

 

 

 

●和の雰囲気がある街なみには和の小物がよく似合う
 古賀銀行の道路を挟んで反対側では、馬場家というところで「和の暮らし展」が開かれていた。ここでは、佐賀の伝統工芸「名尾和紙」を使ったランプシェードや、着物や和紙を利用したエコバッグなど、和のテイストにあふれる商品を展示・販売している。既存の地域資源を組み合わせることで付加価値を創り出し、ローコストで取り組みやすい商品開発を実現している。

8-3-5.jpg軒先にも和の小物が展示されている。


8-3-6.jpg和紙で作られた小物。落ち着いた色合いと、和紙ならではのやさしい触感。


8-3-7.jpg佐賀の伝統工芸“鍋島緞通”の展示。


8-3-8.jpg佐賀錦の実演。製作過程を見ると、非常に細やかな作業であると実感できる。


 

 

 

 

 

 

 

 

●地元の“おばちゃん”がつくった、地域自慢の食を楽しむこともできる
 昼食はおにぎりカフェへ。おにぎりカフェでは、ひなまつり期間中の土日・祝日限定で開催され、各地域のこだわりの食材を使って地元の主婦や生産者が作った料理が週変わりで提供されている。この日は、大和松梅地区の料理をいただいた。メニューは地元の松梅米や古代米を使ったおにぎりに、特産の刺身コンニャク、里芋コロッケなど。地元の加工グループの方が作っているのだが、使われている素材の味がしっかりとして美味い。箸置きには生花が使われてあったり、普段から料理を提供しているお店かのような盛りつけだった。おにぎりカフェは、生産者が消費者に対して直接おもてなしをする研修の場、消費者が合併した各地の食や人を知る場という役割があるが、この日僕が行ったときはお客さんが10組以上待っており、評判も上々のようだった。


8-3-9.jpgお米自体が甘くて美味しい。


 

 

 

 

 

 

 

 

●佐賀城下ひなまつりは、市の観光戦略の実験の場でもある
 佐賀市の観光は、平成19~21年の3年間の観光計画となる佐賀市観光振興戦略プランを策定した委員の方が、キャラクター作成のコーディネートや、和の商品開発のアイデア出しを行っており、おにぎりカフェについても、策定委員の方々が地元の主婦や生産者の人たちに参加を呼びかけて展開している。そのため、佐賀観光のネライを見据えながら、方向性がぶれず、実行力のある計画になっている。

●大量分散型と、街なか一体型のひなまつり
 今年は、人吉球磨のひなまつりにも行った。この地域でひなまつりが始まったきっかけは、専徳寺の住職が娘のために集めたお雛様を近所の人に公開し始めたことであり、見に来たお客さんの喜ぶ顔を見るのが嬉しくて、以来40年間集めつづけた結果、今ではその数3000体にのぼるという。そのいきさつは、会場内で住職の奥様が話してくれた。お寺の近所には、地元の人が地域の農産物を持ち寄った仮店舗も出ていて、一人の住職の娘に対する思いが地域に活気を創り出しているという感じがした。一方、神城文化の森は、全国各地のお雛様や和人形を4階建ての天守閣に設置するという、「お雛様のテーマパーク」といった様相だった。ただ、専徳寺や神城文化の森など、一つ一つのスポットに相当な数のお雛様が飾ってある。鍛冶屋町など、街なかも見に行ったが、街の盛り上がりは佐賀の方が盛り上がっているように感じた。また、人吉球磨のひなまつりは、各会場どうしが車で約10分ほどの距離があるため、歩いて見て回ることは難しい。

 佐賀城下ひなまつりは、長崎街道周辺を中心としたエリア(直径1キロほどの範囲)が会場となっており、歩いて見て回るのに丁度いい。会場周辺の多くの商店の店先や普通の民家の軒先にぼんぼりを飾ったり、のぼりをたてている。また、各戸が自慢のお雛様を思い思いのスタイルで飾り、足を休めるベンチを設置してお茶を出したり、ワゴンを出してモノを売ったりしている。街を歩くと、地域の人達自身がひなまつりを楽しんでいる雰囲気が感じられる。高齢のボランティアガイドの方々がスタスタと歩きながら観光客に説明している姿、焼きたてのお菓子をほおばる地元の子供たち、着物を着て歩く若者など、地元の人と観光客が混然としながら、全員がこの季節のイベントを楽しんでいる。その結果、ひなまつり会場周辺の街なか全体から賑わいや活気が感じられる。

8-3-10.jpg佐賀城下ひなまつり会場である、旧長崎街道沿いの風景。


8-3-11.jpgできたての丸ぼうろは大人気。熱々で柔らかく、美味しい。一度ご賞味あれ。


8-3-12.jpg大名行列?


8-3-13.jpgひょっとこに微笑み返す子ども。ふっと心が安らぐ。


8-3-14.jpg丸ぼうろをほおばる子ども達。


 

 

 

 

 

 

 

 

●各地域毎、年毎の違いを楽しむ
 この時期、九州各地の観光地ではひなまつりが開催され、華やいだ雰囲気が広がる。ひなまつり発祥の地と言われる日田は今年で24回目、人吉球磨は11回目、佐賀城下ひなまつりは8回目の開催ということで、ひなまつりが九州における初春の風物詩となっている。先日、ある方から「この時期、東北は雪で埋もれていることを考えれば、ひなまつりは九州の強みを活かしたイベントだ」といったお話を聞いた。
 各地域のひなまつりは、お雛様自体の違いもあるが、演出の仕方や地域参加の方法など、地域によって少しずつ差がある。また、それぞれのひなまつりの中でも、毎回少しづつ違った企画や商品を提供していくための地元の方々の努力や思いは、端で見ていて相当なものだと感じる。各地のひなまつりの違いや、毎年の変化をみつけながら、ひなまつりを目や口など五感で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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