飯山市シンポジウム~観光地を磨くセンスアップの技術革新~

一週間遅れですが、飯山シンポジウムに出席しての感想などを記入。
機関誌に掲載する記事の転記。

このシンポジウムは、立教大学アミューズメントリサーチセンター(RARC)が主催し、「観光地を磨くセンスアップの技術革新」をテーマとして、長野県飯山市なべくら高原の「森の家」において開催された。
目的は、各地の観光地の技術革新の事例、また観光資源の「リユース」「有効活用」の事例についての情報交換・共有であり、今回が昨年12月に引き続き2回目となる。
これら2回のシンポジウムで出された観光地における技術革新の事例をデジタルアーカイブとして蓄積・整理し、今後の観光地研究・計画にあたって活用するためのデータベースを構築している。
このシンポジウムは、当社がお手伝いしている佐賀市観光推進協議会の会長である立教大学観光学部村上和夫教授からお誘い頂いた。少人数で、知り合いのネットワークによって人を集めて議論する形式だそうで、参加者は37名で、立教大学観光学部をはじめとする大学の研究者の方々や、旅館、旅行会社等の事業者、メディア、行政、コンサルタントなど、観光に携わる様々な立場の方々が来られていた。
当日は、まず「戦後の観光地に於ける革新事例」というテーマで鼎談が行われたあと、「まち」「農村」「温泉」という3つのテーマに分かれてのワークショップが開催された。
余談ではあるが、会場の森の家は長野県の最北端、鍋倉山麓にあり、周辺は前日まで大雪で50~60㎝ほどつもっているという状況であった。

●戦後の観光地に於ける革新事例の読み解きについて
まず、第一部として、長野大学三田先生、城西国際大学溝尾先生、財団法人日本交通公社梅川氏のお三方から、戦後の観光地における革新事例についての読み解きがあり、その後第二部として、「まち」「農村」「温泉」の3グループに分かれ、全国各地の観光地の革新事例についての報告・意見交換が行われた。
第一部の鼎談の中では、
・過去は量の供給が求められたが、現在は消費者が成熟化してきているように、時代によって消費者のニーズは変容していくので、観光地も変わることが必要であり、時代に合った地域資源への見直しが必要。一方で、昔も今も、「古いもの」「変わらないもの」に価値がある。
・発想の転換は外部の人の視点から起こるケースが多い。賑わいが継続している観光地は、外部の新しいアイデアを取り入れる土壌がある。外部の人の「新しい動きを察知する能力」を参考にしながら、観光地を革新していくことが必要。
・現在は多様化の時代であり、情報化の進展もめざましく、過去と比べると凄まじい早さでイノベーションが起きている。
・イノベーション時代のシンクタンク・コンサルタントにとって、世の中の変化のスピードに合わせて提案を革新していくのは大変なことである。
・事例はたくさんあるので、これらを参考にしながら、地域の人々の前向きな姿勢を連携し、後押ししていくことが必要。
といった意見が出ていた。
また、観光の研究者にとって、まちづくり・都市計画的な手法でコミュニティーを活性化することで観光振興を図る場面が増えてきているという意見もあった。当社はこれまで、地域づくりの一つの手段として観光振興に取り組んできたが、確かに、九州でも旅行会社系のコンサルが景観形成や歩行者の動線計画などを含めた地域活性化の仕事をしている状況がある。会議運営・ワークショップの進行だけでなく、都市計画的な法制度の誘導からの観光振興など、旅行会社のコンサルにはない強みを観光面でアピールしなければならない。

●各地の革新事例についての意見交換
第二部のワークショップでは、「まち」のグループに入り、平成18年度に作成し、現在進行中である「佐賀市観光振興戦略プラン」の事例についての発表を行った。
私の発表の概要は、
・委員会形式(委員長:立教大学観光学部村上和夫教授)でプランを作成したが、委員は観光客の送り手である福岡の女性・メディアと、受け手である佐賀の事業者、公共交通関係者、旅行会社などにお願いし、発地と受け地の両方の視点からつくったプランであること。
・情報発信、商品開発・ルートづくり、もてなしの3部会に分かれてテーマ別に具体的な議論を行い、18年度内に3つの取り組みを実行に移したこと。
・プラン策定に関わった人々が計画から実行まで関わるというプロセスにより、佐賀城下ひなまつりという一大イベントでの提案事業の実証実験、佐賀市民のふだんの生活を楽しんでもらう商品の展開など、できるだけお金をかけずにとにかく実行に移していく活動が今後も各所で展開されていくこと。
といったことであったが、ワークショップ参加者の方々からは、「外部から移住してきた人が、地域の何がすごいかを地元の人に説き、地域のモチベーションを上げていることがポイント」「今後10年、20年と継続するための組織づくり、人材の発掘がカギ」「観光客の送り手となる福岡都市圏の女性を委員に入れていることが興味深い」などといった意見をいただいた。佐賀市の方とも、今後の継続体制が現在の最大の議論ポイントの一つであり、プランを永く継続していくための体制づくりのヒントをいただいた。
このほかにも、長野県信濃町の森林セラピーについてや、横浜市観光協会が作成したHPについて、練馬区における農業体験農園や、住宅都市における住民向け観光ガイドブックなど、今後の仕事に活かせる具体的なアイデアを多数いただくことができた。

●革新を読み解く視点と、地域に深くはいるスタンスの重要性
今回のシンポジウムに参加して、ファーストステップとして他地域の動きの何が革新的なのかを判断できる視点を養い、自分の技術を革新していくということの必要性を改めて感じた。それと同時に、地域に深く根ざすことで地域の諸問題に対して様々な角度からの解決案を提示でき、地元の人とのネットワーク・結びつきを深め、共に動いて問題を解決することができることが必要であり、「進取のアタマを持ち、カラダは地域に深く根ざして活動すること」が必要であるとの思いを強くした。
そのためには、今回のように様々な意味で「見晴らしの良い場所」に出掛けることはとても大事な経験であり、ネットワークも広がる。この他に雪山を歩く森林セラピーも体験することができ、実りある一日であった。

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コメント(2)

kyohei :

TITLE: 一昨日はどうもね。
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おつかれです。

島宇宙も、ここから出来るといいね。

ksk :

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>kyohei
いえいえこちらこそ、近年まれに見るセッションを用意して頂き、どうもでした。

島宇宙。。。
例の本を読みましたかな。
それはこれから目指すべき高みですね。

まずはすこしづつ。
一歩一歩確実に。

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